私事ですが先日、1年半近く待ち続けていたジムニーの注文をキャンセルしました。なぜ、あと数か月で手に入るはずだった新車のジムニーを土壇場であきらめたのか? そこには長納期だから起こり得る予測不可能な出来事がありました。

文:奥野大志(Team Gori)/写真:スズキ

■昨年の夏にセカンドカーとしてAT車をオーダー

人気色のジャングルグリーンにしていれば納期はさらに延びたかも

 事の始まりはこう。昨年の夏、当時所有していた別のスズキ車の整備のため、ディーラーを訪問。ジムニーの納期について世間話をしていたところ、どんどん欲しくなり、担当営業氏に背中を押されて決断。奥さんと子ども用のセカンドカーにするつもりだったのでXCのAT車をオーダーしました。

 長納期のため、将来的に価格や仕様が変わる可能性があると言われ、了承の上、手付金を支払って契約締結。納期の目安は1年。来年のことなんてまったくわからないと思いつつ、キャンセル不可のタイミングが来たら早めに教えてくださいと伝え、ディーラーを後にしました。

■予定外の主力入れ替えによりセカンドカーのニーズに変化が

筆者がオーダーしたミディアムグレーのXC

 そして、2024年の秋。注文したことを忘れるぐらいの時間が経過しましたが、今年の2月にファーストカーを買い替えるという、大きな変化がありました。細かい事情は割愛しますが、自分の仕事につなげるための戦略的な買い替えで、ジムニーを注文した当時はまったく予想していなかったことです。

 その結果、日常ユースがやや不便になったため、不便を承知で注文したジムニーではなく、もう少し使い勝手の良いセカンドカーに乗りたいと思うようになりました。でも、ジムニーの納車まで半年以上はあります。結論を急がずに、検討を続ければ良いと思い、そのまま待ち続けました。

■駐車場の規約が変わり2区画以上の賃貸に黄色信号が

5ドアが出ていたら状況はまた変わったかもしれませんが、それを言ってもしょうがない

 また、ファーストカー買い替えと同時期にマンションの駐車場の規約が変更になっていることを知り、2台目の駐車場契約が危ういことを知りました。納車日がわからないから区画はおさえられませんし、余分に賃料を払うわけにもいきません。

 万が一、2台目の契約ができなかった場合は、マンション外の月極駐車場を借りるしかなく、コストは上昇、利便性は低下というネガティブな状況に陥ります。また、ガマンして買ったとしても奥さんが乗ってくれなければ本末転倒。巷でジムニーを見かけるたびにヨダレを垂らしていたのは事実ですが、モチベーションは徐々に低下していきました。

■そして子どもの進学が決定打になりキャンセルを決意

 秋を迎え、ディーラーに問い合わせたところ、まだまだ時間がかかりそうという回答。しかも、子どもが進学し、ますます使い勝手の良いセカンドカーに乗り換えたいと思うようになりました。そこでこれ以上引っ張るのを止め、結論を出そうと思い、担当営業氏と相談。腹を割って話し合った末、キャンセルと相成りました。残念ですが仕方ありませんね。

 ジムニーのような、趣味性の高いモデルを長納期で買う場合は、とにかく環境の変化に注意が必要です。都合1年半という時間は途方もなく長く、わずかな家庭環境の変化で一気に熱が冷める場合も。筆者の場合、子供の進学こそわかっていましたが、それ以外はすべて予想外でした。独身の方も含めて、長納期を覚悟の上で新車を購入する場合は、しっかりとした計画が必要だと感じました。

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