1980〜90年代に生産された日本のスポーツカーは、ここ10〜15年ほどで一気にその価値を高めた。GT-R、RX-7 、80スープラ、そしてNSX。そしてそれは一過性のものではなく、一定以上の価値があると世界のマーケットは評価している。では日本が誇るスーパーカー「NSXタイプR」はいまどんな評価なのか? 最新事情を調べてみた。

文:古賀貴司(自動車王国) 写真:ベストカー編集部

■世界が熱視線を送る低走行のNSX

1990年に販売されたNSX。CFRPなどを使用して軽量化が施されたタイプRは2002年から追加されている。

 去る11月1日から2日、イギリス・ロンドンに新しくオープンしたザ・ペニンシュラ・ロンドン(ホテル)にて、RM/サザビーズによる自動車オークションが開催された。

 錚々たる顔ぶれのエキゾチックカーが並ぶなか、1994年式ホンダNSXタイプR(走行3万3132㎞)も出品された。

 リトラクタブルヘッドライトを備えた前期型のみにラインナップされていた「シャーロットグリーンパール」という珍しいボディカラーは、ペニンシュラホテルのコーポレートカラーであるグリーンに合わせた出品車両であった可能性がある。

 予想落札価格23万~29万ポンド(約4500万~5700万円)が掲げられていたが、オークションでは落札に至らず、後日の”商談”にて売却されたそうだ。

 価格は残念ながら非公開。なお、新車時オーナーが1994年に支払った金額は1125万円だったという。

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■過去には最高額で1億近い値段がついたことも

こちらは2022年にNSXとしての最高額である63万2000ドルで落札された車両。走行距離わずか6000kmという付加価値がついていた。

 この1994年式のシャーロットグリーンパールのNSXを含め、今年海外の主要オークションに出品されたホンダNSXタイプR(前期型)は7台である。

 そのうち2台は1993年式(走行6.6万km)が34万9995ドル(約5370万円)、1995年式(走行1.7万㎞)が39万9000ドル(約6120万円)で現在、オークションハウスによって販売されている。

 今年の最安値は1993年式(走行5万㎞)の26万4,000ポンド(約5200万円)、最高値は1993年式(走行3.8万㎞)の36万8000ドル(約5600万円)であった。

 過去の取引実績では、一昨年アメリカのBring A Trailerにて1993年式シャーロットグリーンパールのNSXタイプR(走行距離6.1万㎞)が30万5993ドル(約4700万円)で落札された履歴があった。

 昨年は1995年式(走行6000㎞)が63万2000ドル(約9700万円)という高額で落札された記録もある。

 ただ、これはほぼ慣らし運転が終わったような過少走行のレアなケースで、一般的にはイギリスポンドで25万ポンド前後、アメリカドルで30万ドル後半というベース相場が形成されている様子だ。

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■NSXタイプRの価値は今後も上がり続けると予想される

他の80-90年代スポーツカー同様、現代車にはない独特のプロポーションを持つ初代NSX。その魅力をいち早く評価したのが、日本人ではなく外国のクルマ好きというのが少々物悲しい…。

 自動車に限らず、オークションはその場のノリや入札の盛り上がりによって左右される。ただ、オークションデータを眺めていると、NSXタイプR(前期型)の相場は緩やかな上昇基調(2年で+約10%)にあるように見受けられる。

 冷静に生産台数を見てみるとNSXタイプRの生産台数は前期型464台、後期型140台。

 要は台数で考えるとフェラーリF40(総生産台数1311台)よりもレアなの存在であるのだ。

 そして、アイルトン・セナが鈴鹿サーキットでNSXタイプRのプロトタイプを試乗した動画は、今でも動画共有サイトで高い人気を維持している。昨今の国産スポーツカー(日産スカイラインGT-R、トヨタ・スープラ、マツダRX-7など)における中古車相場の上昇ぶりを見ていると、NSXタイプRはまだまだ上値を目指す余地があるように思えてならない。

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