ヤリスクロスにカローラクロスなどなどクロスオーバーモデルが超絶人気だが、かつて存在したナディアはかなり厳しい結果であった。でも今思えばかなりイケてるのだ。だって室内は超絶広いうえ、SUV仕立てのモデルも設定するなどちょっと時代が早すぎた感も。今こそナディアじゃないか!?!?!?!?

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部

■イプサムの兄弟車だったの!? そりゃ2列目広いわけだぁぁぁぁ

個性派スタイルで結構アリでは!?!?!?

 毎年、多くのクルマが生まれて消えていく中にあって、時代の流れにうまく乗って爆発的なヒットを記録するモデルもあれば、時代を先取りし過ぎて波に乗ることなく消えてしまった残念なモデルも存在する。

 今回紹介するナディアもコンセプトは決して悪くなかったと思えるのだが、時代の波に乗れなかったというか、その荒波にもまれて埋もれてしまった不遇のモデルと言えるのではないだろうか。

 1998年8月に発売されたトヨタ ナディアは5ナンバーサイズのコンパクトな3列シート車である初代イプサムとプラットフォームを共有するモデルで、シートレイアウトを2列5人乗りとしたもの。

 3列目シートを廃したことで丸みを帯びたリアウインドウを採用したワンモーションフォルムとなり、全長もイプサムよりもわずかながら短くすることで使い勝手を高めたスタイルは、次世代ユーティリティ・ビークルと銘打たれていた。

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 室内空間はイプサムと同等となっていたが、2列シートとなったことで一気に余裕が生まれ、余裕のあるリアレッグスペースはラージセダン並みとなっていた。

 リアシートを畳めばフラットな広大な荷室スペースが生まれ、フロントシートには回転対座シートも一部グレードに採用されるなど、フレキシブルにアレンジすることができる点も美点となっていた。

 そして1999年6月にはいち早くクロスオーバーSUVスタイルを採り入れた「type SU」を追加。このモデルは通常モデルよりも車高を高めて16インチタイヤを装着し、専用のバンパーやオーバーフェンダー、サイドマッドガードなどでSUVスタイルとしたもので、現代のクロスオーバーSUVブームを大幅に先取りしていた。

 このモデルでは見た目だけのオーバーフェンダーではなく、ボディパネルも専用のものとする力の入れようで、サスペンションの味付けはもちろんのこと、ワイドトレッド化に伴ってサスペンションジオメトリーまでもしっかり見直している本格的なもので、この辺りの仕立てはさすがトヨタといったところだった。

 ただ当時はこのようなコンセプトはなかなか理解されず、クロスオーバーSUVブームも本格化する前のことだったため、ナディアは正当に評価されることなく、2003年夏に1代のみで姿を消すこととなってしまったのだった。

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