最近何かといいウワサを聞かない日産。かつてはセドリックにシーマ、そしてスカイラインやサニーなどなど名車ぞろいであったが、今のラインアップときたら……。一体どこで日産は躓いちゃったのよ、昔の勢い戻ってきてほしいなぁ!!!!!
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■初代マーチが偉大すぎ!! だってこれなかったらパイクカーなかったかもなのよ
先日発表となった日産自動車の2024年9月期の中間決算。そこで明らかとなったのが、売上高こそ5兆9842億円と前年同期並みの数字をマークしたものの、営業利益が90.2%減の329億円、純利益に至っては93.5%減の192億円と大幅に数字を落としている。
その原因についてはさまざまな議論がなされているので、今回は過去の勢いのあったころの日産を振り返り、今の日産に足りないものを考えてみたい。
過去の日産といってもあまり古すぎるものはピンとこない方も多いと思うので、1980年代あたりから振り返ってみたい。1980年代の日産のヒット車種は数多く存在するが、ひと際輝いていたのが1982年に登場した初代マーチだろう。
経済性の高いリッターカーでありながら、安価かつ高品質なモデルとなっており、そのポテンシャルの高さは後にモータースポーツベース車の登場や、Be-1、パオ、フィガロといったマーチをベースとしたパイクカーも登場、そして欧州をはじめとした海外での高い評価などにも影響を与えた偉大なコンパクトカーだった。
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■80年代後半も激アツ!! 初代シーマにR32GT-Rもいたゾ
そして1988年に登場した初代シーマも日産の名車として外すことができない存在だ。税制の改定に合わせて投入された3ナンバーサイズの専用ワイドボディを持つシーマは、パワフルな3リッターV6ターボエンジンがラインナップしていたことも相まって新時代の高級車として人気を集め、初年度だけで3.7万台に迫る販売台数を記録したのだ。
翌1989年には280馬力の自主規制のきっかけともなったZ32型フェアレディZや、第2世代のスカイラインGT-Rといった日産のイメージリーダー的なスポーツモデルが登場。
1990年代に入ると、欧州車にも負けない走りでコアなユーザーから高い評価を集めたプリメーラが登場したほか、1997年には高級ミニバンの元祖とも言えるエルグランドもリリースされ、2000年に登場のエクストレイルはタフギアとして人気を博すなど、確実に日産車は存在感を増していった。
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■ノート一本足打法はさすがに……今後の日産どうなるの!?!?!?
しかし現在ではマーチやシーマ、プリメーラはすでにラインナップから姿を消し、フェアレディZも2008年に登場したZ34型の改良型に留まり、GT-Rも2007年に登場したモデルを改良しながら販売し、エルグランドも2010年デビューのものを継続販売するという状況で、目新しさはほとんどないというのが正直なところ。
2016年に登場したエンジンで発電し、モーターで走行するノートe-POWERは非常に評価が高く、日産車としては30年以上振りに月間販売台数ランキングでトップを獲得して明るい兆しとなった。
だが、その後はノートに頼り切りの販売戦略となり、マーチやキューブ、ティーダにラティオ、シルフィ、ジューク、ティアナ辺りまでのユーザーをノートでカバーしようというのはさすがに無理があったとしか言いようがない。
筆者も過去にノートe-POWERやリーフなど、日産の新車を3台乗り継いだ時期があったのだが、現在の日産のラインナップの中で乗りたいと思うモデルは控えめに言っても存在しておらず、販売会社が「売るクルマがない」と嘆くのと同じく、ユーザーも「買うクルマがない」というのが現状なのだ。
日産の内田社長も「ユーザーのニーズに応える商品をタイムリーに提供できていない」と語っていたが、ユーザーからのニーズに合わせたクルマづくりをするのではなく、ユーザーのニーズを掘り起こしてきた過去の名車のようなモデルが登場することを期待したい。
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