ある日、本誌ライター サトウ氏が興奮しながら編集部に飛び込んできた。「まぁとにかく、この写真を見て下さい」と見せられたのがトップの写真。パッと見、どっちが「覆面パトカー」か、わかります…???(本稿は「ベストカー」2013年3月10日号に掲載した記事の再録版となります)
TEXT:編集部
■ほんとかよ。こんなので来られたら、分からんゾ!
「川越街道を走っていたら濃いめのシルバーメタのハイエースが勢いよく走って来て後ろにピタリつくわぁと思ったけど、オレは挑発にのらずに制限速度厳守。
するとハイエースはイライラした感じでボディを左右に揺らしながらあおって来やがった。でもオレはもちろん冷静に走行。するといきなりルーフから赤色灯が現われ、サイレンが鳴り響いたからビックリ!!
なんとハイエースの覆面でした。違反はオレではなく、隣車線を携帯で話しながら走っていたキャラバンのドライバー。
もし挑発に乗ってスピードを上げていたら……。て、いうか覆面の煽り運転も車間距離不保持も立派な違反だろ!!」
サトウ氏、興奮に加えて怒りも爆発寸前のご様子。
しかしハイエースで交通取り締まりをするというのは、もはやお手上げ。これを見抜くというのは並大抵のことじゃない。
どれどれ……!?
対応した担当が写真を見ようとすると、「ハイエースの覆面だったら、練馬あたりじゃちょっと有名よ!!」と元編集部のウメキの大声が。
「おっ、こんな最初からマグネット式赤色灯がルーフに乗っているのじゃモロバレ。これは“警察車両”で覆面パトではないな」とウメキ。
なんでもウメキの目撃したハイエース覆面はこれとは違うのだという。
■シルバーのハイエースで外観は完全ドノーマルでナンバーは練馬の1ナンバー
■外から見える場所に赤色回転灯などはいっさい装着されていない
■後部の窓は濃いめのスモークで中が見えない
■違反車を発見すると、フロント助手席側ダッシュボード上と後部バックドアガラスの右下内側に隠されるように搭載された赤色回転灯を点灯し、サイレンとともに違反車を猛烈に追尾して検挙する
■乗務する警察官は、交通機動隊や高速隊員のようなブルー系の制服ではなく、一般的な警察官の制服を着用
特徴は上記のごとくである。
パトカーの生態に精通し、『覆面は臭いでわかる』と豪語するウメキも「初めて見たときは、事故処理車とか、ネズミ捕り機材を積んだ交通課所属の警察車両がたまたま見過ごせないレベルの違反車を異例だけど止めに行った」と思ったという。
しかし、練馬区内の一般道で頻繁にこのハイエース覆面パトを見かけるにいたり、
「これは最初から取り締まりを狙って稼働させている」と確信。
外環道の大泉出口を出たあたりで路肩に停車し違反車を待ち構えている姿をしばしば見かけるという。
大阪府警のステージア覆面には仰天したし、15年ほど前に全国の高速隊に配備されたソアラの覆面なんていうのは、かなり秘匿性の高い覆面パトだったけど、それでもトランクリッドから伸びるホイップアンテナなどで「ン!? これは……」とわかったものだけど、ハイエースは完全に想定外のさらに外。
ヤツも警察車両の放つ独特の雰囲気はプンプンなんだけど、まさか交通取り締まり用覆面パトだとは見抜けなかったとウメキ。
もはや、なんでもありですな。みなさん、これからハイエースを見かけたら、くれぐれも注意!
(内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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