マツダが1970年代に販売していたシャンテは、かつてロータリーエンジン搭載の計画も存在した軽自動車だ。この懐かしいクルマに、長野県岡谷市の郷田鈑金が本当にロータリーエンジンを搭載した!! ド迫力のオーバーフェンダーにも注目の郷田鈑金REシャンテをご紹介する!!
※本稿は2024年4月のものです
文:武井寛史(チャ武)/写真:三木宏章、MAZDA ほか
初出:『ベストカー』2024年5月10日号
■最高出力は約350馬力! 13B+ターボ搭載のロータリー軽
MAZDAが諦めたロータリーエンジン搭載の軽自動車「シャンテ」に初めてREを搭載したのはRE雨宮自動車。軽量かつコンパクトなボディにチューニングが施された12Aを搭載し、驚くほどの性能を披露したのは今から40年以上前の話だ。
今回、紹介する郷田鈑金ロータリー・シャンテもロータリーエンジンの神様・雨宮勇美氏(通称アマさん)のノウハウとアドバイスのもと製作された唯一無二の一台なのだが、なんとナンバー取得されたということなので一般道でインプレッションさせてもらった。
郷田鈑金シャンテに搭載されたのは13B+ターボ。エンジンマネージメントはLINKで制御し最高出力はなんと約350馬力を発生。特別なスキルがないとドライブできないオーラをまとうけど、実際に試乗すると見た目と違いとても乗りやすい。
しかし、尖ったチューニングカーの潜在能力は凄かった。クルマのポテンシャルを計るためにアクセルを踏み込むと、派手にホイールスピンをかまし加速、2速にシフトアップしてもホイールスピンは収まらない。さらに3速に入れてもタイヤが空転するほどのパワー感。
電子デバイスなんてモノは付いていないから、アクセル全開で走らせるには“腕”が必要。それでもなぜか楽しくアクセルが踏めるのは、ベースとなるシャシーを初代ロードスターにしたところに秘密がある。
かぐわしい化石燃料由来のガソリンとともに軽快な加速と高い旋回性、さらによく停まるポテンシャルは最高にクールだった。
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