クルマ好きなら一度は「自分が乗るクルマは自分で組み立てて乗ってみたい」と思ったことがあるはず。そんな夢みたいなことが実現するとしたら……。 そう、できるんです! クエストモーターカーズが提案する新しいプランがそれ!(本稿は「ベストカー」2013年4月26日号に掲載した記事の再録版となります)

■価格は220万円~。80時間で完成!

愛嬌のあるおなじみのスタイル。ボディが軽く、とても運転しやすい

 クエストモーターカーズが提案するのは、1960年代、カリフォルニアのビーチボーイ、サーファーなら誰もが憧れた「デューンバギー」を自分で作るというもの。

 デューンバギーの草分けといえば、サザンカリフォルニアのブルースメイヤー氏が小さな工房で作っていたメイヤーズマンクスバギー。

 スティーブ・マックィーンの映画『華麗なる賭け』に出ていたメイヤーズマンクスバギーに憧れた人も多いことだろう。

 そのメイヤーズマンクスの「“Kick Out” Buggy」のキットを購入し、自分で組み立てるのだ。

 具体的にはキットのほかに1974年以前のVWビートルが必要。ビートルのフレームやエンジン、ミッション、足回りを購入しなければならない。

メーター類やステアリングはビートル用のものを流用。ホワイトレザーのシートが取り付けられていたが、自分好みのシートを選択可能
エンジンはビートル用の空冷フラット4だが、1.2~1.8Lなど数種類のエンジンが選ぶことができる(その場合は価格も変わってくる)

 といってもこのキットを輸入し、自分で組み立てるだけでは日本の保安基準に通らないし、公道を走ることができない。

 その点はクエストモーターカーズにお任せすることになるが、ブレーキ系、操舵装置、駆動系など重要保安部品に関しても、同社のメカニックが行なってくれるというから、その点も安心していいだろう。

 この場合、さすがに自分のガレージで……というわけにはいかないため、同社では、1スペース(6坪)単位で保管&組み立てスペースを貸すプランも用意しているという(料金などの詳細は要問い合わせ)。

サイドドアはなし
トランスミッションは5速MT。カチカチ入り、シフトフィールもなかなかよかった

 組み立ての際、わからないことや不安なことがあったらその場で聞けるという点でも心強い。また組み立てに必要な工具セットの販売も行なっているという。

 さて、注目の価格だがメイヤーズマンクスのボディやステアリング、シートやメーター、ロールケージなどのキットに加え、ビートルのボディやホイールのほか、空冷エンジン(新品)やトランスミッション(新品)など、すべてを含んだ価格は220万円~。

 これとは別に、予備検と車検費用などの登録に関する費用が25万円ほどかかるという。

 購入してから完成するまでの期間は、おおよそ80時間。週末に通うことを考えると、通常は2カ月ほどかかるという。

 で、実際の作業はずぶの素人にでも大丈夫なのか、聞いてみた。

「機械いじりをまったくしたことがない人はさすがに無理だと思いますが、そんなにメカに詳しくない人でも大丈夫だと思います。ただ根気は必要かもしれませんね。実際に弊社でデモカーを作りましたが、完成した時の喜びはひとしおでした。この喜びをぜひ味わってほしいですね」

 もし、自分で作るのは面倒くさいが、メイヤーズマンクスバギーが欲しいという人はプラス40万円で完成車を購入することができる。

 もちろん、こんなバギーにしてみたいという要望も受け付けている。

 さまざまなオプションが用意されており、ボディに関しては、ポルシェ356スピードスターやジネッタ風のキットも可能とのこと。オーダーメイド感覚で選べるのもうれしい。

 さて、メイヤーズマンクスバギーの走りはどうなのか、試乗してみた。

 とにかくボディが軽い! アクセルを吹かしていくと空冷フラット4独特のバリバリバリッというエキゾーストノートが響きわたる。正直、こんなに速いとは思わなかった、気持ちいい~。できればリゾートで乗りたいナ~。

 こういうクルマが街を走る……、なんだかワクワクして楽しいと思いませんか?

 忘れかけたクルマの楽しさをもう一度思い出したい人、定年退職された方々、とにかく目立ちたい人……、このメイヤーズマンクスバギーを自分で組み立てて走るのもおもしろいと思いますヨ。

やはりバギーは海が似合う。潮風の匂い、心地よさを満喫できる

(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

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