北海道で相次ぐ山菜採りの遭難。
「気づいたら迷っていた」と実際に経験した人は話しています。
まさかの時のためにどんなことを備えておけばいいでしょうか。
北海道では山菜採りのシーズンが本格化。多くの人のお目当ては今が旬の「タケノコ」です。
「(タケノコが)こっちにあったこっちにもあったって、くるくる回ったりする。それで出口を間違う。30~40分迷ったんじゃないかな」(タケノコ採りの経験者)
この時期、増えるのが山菜採りでの遭難です。
北広島市で70代の女性が5月20日からタケノコ採りで行方不明に。
旭川市では5月22日、76歳の男性が行方不明になりましたが、翌日、自力で下山。
男性は以前も同じ場所で山菜採りをしていて、この日は「あまり採れず気づいたら山の上にいた」と話しています。
なぜ、山菜採りで遭難してしまうのでしょうか。
「(タケノコを)這いつくばって採りにいくので無我夢中。最終的に出たところが全く違うところだった。食べておいしいし採った時の快感やめられない」(タケノコ採りの経験者)
どのように遭難してしまうのか。
山登りに自信がある入社2年目の23歳の記者が、警察立ち合いのもと山菜採りでの遭難を疑似体験してみました。
「こうやってずっと下を見ていると、どうやって自分が登ってきたのか分からなくなりますね」(福岡百記者)
視界を遮る2メートル近いささやぶ。どこを見ても同じような景色が広がります。
「あれ?ここじゃなかった。警察官の後ろをついて行っていたはずが迷ってしまいました」(福岡記者)
目の前を歩いていた警察官を見失ったのです。
疑似体験のはずがあわや道迷いに…。
「戻ってきました。辺りを見回してもやぶだらけで自分がどこから登ってきたのかわからなくなって、ちょっと迷ったような感覚に陥ってかなり恐怖を感じました」(福岡記者)
北海道警によりますと例年、山菜採りでの遭難の約8割が道に迷ったことが原因です。さらに遭難した人の約8割が65歳以上の高齢者でした。
ではどうやって身の安全を守るのか。
警察は入山前の準備が大切だといいます。
「携帯電話、ホイッスル所持して、万が一の場合に自分の居場所を知らせる」(北海道警南署 土生賢二地域官)
ほとんどの携帯電話は、110番通報による電波で大まかな位置情報が把握できます。
「黄色と赤は目立つのでヘリから見やすくて見つけやすいと言われている」(北海道警本部地域企画課 土橋将人さん)
上空からは黄色や白色の服を着ている人はすぐに目に入りますが、緑色は同化して見えにくいことがわかります。
遭難した場合はできるだけ開けた場所に移動し、大きく手を振ることもポイントです。
さらに…。
「毎年行ってるから大丈夫とは決して思わない。山の状況は刻々と変わる。自分だけは遭難しないとは思わない」(土生地域官)
山への油断は禁物。慣れた山だから…まさか自分に限って遭難など…。こうした油断は禁物です。
楽しい山菜採り。しっかりと準備をして山に入りましょう。
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