厚労省は食品衛生に関する審議会の部会を開いた(29日、東京都千代田区)

厚生労働省は29日、小林製薬が製造した紅麹(こうじ)原料を含む機能性表示食品の健康被害問題について、食品衛生法に基づく今後の対応案を公表した。省令を改正して、事業者から保健所への情報提供を義務付ける。報告をしない場合は、同法で定める営業停止など行政措置の対象とする。

同日開いた厚生科学審議会の食品衛生監視部会で有識者に示した。機能性表示食品に関して医師の診断に基づく健康被害が疑われる情報が、報告義務の対象となる。現在は事業者の努力義務となっている。報告を受ける保健所や厚労省、国立医薬品食品衛生研究所(国衛研)の体制整備も進める。

小林製薬の一連の問題は厚労省と国衛研が原因究明を進めており、これまでに青カビ由来の「プベルル酸」のほか2種類の未知の化合物が見つかった。厚労省は調査結果をふまえ、同様の事例を未然に防ぐための対応が必要かどうかも検討する。

部会では機能性表示食品の健康被害情報について専門家が対応を考える小委員会の設置を決めた。消費者庁の検討会も食品表示法に基づいて同様の報告を義務化すべきだとの提言をまとめている。

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