都知事選へ立候補を表明するとみられていた小池都知事。29日は出馬への明言を避けました。その背景には小池都知事なりの戦略があるようです。
■小池流の戦略?“出馬”明言せず
都議会定例会の開会に先立ち演奏されたのは、ハイドンの最高傑作と言われる弦楽四重奏曲第77番「皇帝」。その音色に耳を傾けた小池都知事。首都・東京のリーダーとして、3期目を目指すのでしょうか。
この記事の写真は13枚 東京都 小池知事「都民の命と生活を守る、東京を持続可能な街とし続ける。それこそが都政を預かる者の最大の使命でございます」
東京都知事選挙の告示まで1カ月を切るなか、29日、立候補する意向を表明するのではないかとみられていましたが…
東京都 小池知事「(Q.出馬表明の時期に関してはいつごろに?)きょう(29日)から2回目の定例会が始まったところであります。まずはこの定例議会、しっかりと取り組んでいくというのが現職の務めと、このように承知しております」
小池都知事自身は出馬の意向を固めたとみられていますが、29日は意思表明しませんでした。
小池都知事は、なぜ29日の出馬表明を見送ったのでしょうか。小池都知事に近い関係者はこう話しています。
小池都知事に近い関係者「もともとは、きょう(29日)の所信表明のなかで出馬を明言するという調整をしていた。しかし、おととい(27日)、蓮舫さんが出馬を表明し『今じゃない』となった。6月12日の都議会閉会直後に表明する方向で調整しているのではないか」
27日、立憲民主党の蓮舫参議院議員が「小池都政をリセットする」と宣言して立候補を表明。ほぼ同じこのタイミングで出馬表明することは小池都知事、得策ではないと考えたとみられます。
立憲民主党 中堅議員「こちらに主導権が来ているということだ。小池さんもまさか蓮舫議員が出るとは思っていなかっただろうから」 日本維新の会幹部
「きょう(29日)表明すると、蓮舫さんに焦って反応したと思われてしまうので、プライドの高い小池知事がそんなことを許すはずがない。散々じらしてから表明でしょう」
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■出馬の蓮舫氏「支持固め」に奔走■出馬の蓮舫氏「支持固め」に奔走
一方、蓮舫議員は29日も小池都政を批判。
立憲民主党 蓮舫 参院議員「貴重な議員総会の時間をいただけたことを執行部にご配慮いただけたことを感謝いたします。こんな謙虚な私は久しぶり。政治とカネ、古い政治に決別をすると言って8年前に登場した人が、今や政治とカネまみれの自民党に寄り添っている。絶対に許せないと思いました。皆さま方には、身を擦り切るほど私を応援していただきます」
「反自民党政治」「非小池都政」を掲げて“2位ではダメな戦い”に挑んでいます。
その蓮舫議員に対抗する動きが活発化しています。小池都知事が特別顧問を務める地域政党、都民ファーストの会と都議会公明党は28日、相次いで小池都知事と面会して出馬を要請。さらに都内自治体の約8割にあたる、52の市区町村長も出馬を要請しました。
都民ファーストの会 森村代表「自民党の政治とカネの問題が小池知事の問題であるかのように(蓮舫氏が)発信するのは、ちょっとどうなんだろうと。あらぬレッテルを貼るというのは都民をバカにしすぎじゃないかなと感じますね」
今回自民党は独自候補を擁立せず、小池都知事の支援にまわる方向で調整していますが、
その支援を受けるのか小池都知事の対応が注目されています。
「失礼します」
蓮舫議員は29日午後、都議会を訪れ、各会派に挨拶まわりと支援を要請しました。
立憲民主党 蓮舫 参院議員「(Q.小池知事は出馬表明しなかったが)何をお話しになるのかなとは思っていたんですね。それによって、私の公約も、何をエッジを立たせたほうがいいのかどうなのかを心の準備をしながら(所信表明を)聞いてたんですけども、きょう(29日)はこの後も(出馬)表明されないのかしら」
6月20日に告示され、7月7日に投開票を迎える都知事選にはこれまでに合わせて20人以上が立候補の意向を表明しています。
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