国会議事堂=東京都千代田区で、竹内幹撮影

 超党派の地方議員らでつくる「子育て中の議員の活動を考える会」は15日、未就学児を抱えて選挙に当選した地方議員へのアンケート結果を岸田文雄首相に提出し、「柔軟な議員活動ができるよう、全国で統一したガイドラインを作成してほしい」と要望した。首相は、子育て中の議員が活動しやすい空気を作ることに意欲を示し、「世間での機運をまずは高めることが非常に重要だ」と応じた。

 調査には、首都圏1都3県の未就学児を抱えて当選経験のある地方議員計95人(女性50人、男性43人、性別無回答2人)が回答。当選前の政治・選挙活動について、86人(女性50人、男性35人、性別無回答1人)が困難を感じたと答え、当選後の活動も79人(女性49人、男性28人、性別無回答2人)が困難を感じたという。困難さとして、早朝や夜の街頭活動や、子どもとの時間が取れないなどといった回答が目立ったほか、有権者や支援者、同じ党の関係者からの無理解やハラスメントがストレスになっていることが分かった。当選後、「第2子や第3子を希望していたが、産める環境ではないと思わされた」と14人が回答した。

 考える会は調査結果を踏まえ、柔軟な働き方ができるよう全国で統一したガイドラインの作成を総務省に提案。会議や視察でのオンライン活用や議会の夜間開催廃止、本会議・委員会の分散開催などを求めた。

 考える会は15日、国会内で記者会見。メンバーで女性の政治参画を支援する団体「スタンドバイウィメン」代表の浜田真里氏は「24時間365日を使えない(子育て議員の)状況に対する周りからの無理解が当事者にとって大きな壁になっている」と指摘。小酒部さやか横浜市議(自民党)は「縦割りを取り払って、ぜひ総務省にリーダーシップを取ってもらいたい」と訴えた。考える会は同日、総務省や立憲民主党、日本維新の会などにも要望した。

 アンケートは2023年11月25日から24年2月29日に実施。10年以降に誕生した未就学児を育てながら、23年春までの選挙で当選した首都圏1都3県の現職地方議員で、現在59歳以下を対象にした。考える会のメンバーはほかに、薗部誠弥世田谷区議(都民ファーストの会)、佐藤古都北区議(維新)、油座政子昭島市議(立憲)。【安部志帆子】

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