埼玉県戸田市の首都高5号池袋線下りで5月、トラックと乗用車計7台が追突し、3人が死亡した事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)容疑で逮捕されたトラック運転手の降籏紗京(ふりはたさきょう)容疑者(28)=相模原市=が、現場の約300メートル手前から「記憶がない」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。
東京地検は4日までに、男の体調面などを調べるための鑑定留置を請求し、認められた。鑑定結果を受け、起訴するかを判断する。
2日前から熱 事故時の時速は77キロ
事故は5月14日午前7時35分ごろ、美女木ジャンクション(JCT)付近で発生。捜査関係者によると、降籏容疑者は調べに、事故の2日前から熱があったと説明。事故当日は痛み止めを飲み、午前4時10分ごろに神奈川県厚木市内の事務所を出発。始業時の点呼やアルコールチェック、車両点検などはしなかったという。
降籏容疑者は「高速に乗ってしばらくしてからは眠気があった」と供述。事故現場の約300メートル手前にあった外環道の標識周辺から「記憶がない」と説明しているという。警視庁は捜査の結果、事故直前の走行速度は約77キロだったと判断。降籏容疑者が意識を失った状態で運転し、渋滞の車列に突っ込んだとみている。
警視庁は3日、死亡した3人の身元について、東京都中央区晴海2丁目、会社員の船本宏史さん(54)▽長野市篠ノ井会、職業不詳の小松謙一さん(58)▽東京都荒川区南千住6丁目、会社員の杉平裕紀さん(42)と判明したと明らかにした。(御船紗子)
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