「父の日」を前に、アンケート調査で浮かび上がったのは、仕事と育児の板挟みになったイマドキのパパの苦しい胸の内だ=ゲッティ
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 お父さんだって「ありがとう」って言われたい――。16日の「父の日」を前に、未成年の子を育てる男性を対象にした調査で浮かび上がったのは、仕事と育児の板挟みになったイマドキのパパの苦しい胸の内だ。

 家事代行サービスやベビーシッターのマッチングサイトを運営する「キッズライン」(東京都港区)が今年5月、0~17歳の子を持つ男性を対象にインターネットでアンケートを行い、265人から回答を得た。

 父の日のプレゼントに何がほしいか尋ねたところ、「感謝の言葉や手紙・手作りの品」(20・0%)が1位で、「家族みんなで過ごす時間」(18・9%)が2位、「何もいらない」(16・6%)が3位と続いた。先月の「母の日」アンケートで母親のほしいプレゼント1位だった「自分だけの時間」は、父親では4位(15・1%)だった。

 さらに、育児への関わり度合いを尋ねたところ「十分に」と「ある程度は」を合わせて75・5%が「自分は育児に関われている」と感じていた。一方で「父親が育児に関わることに障壁があると感じているか」という質問については、17・0%が「とても」、30・6%が「少し」と答えた。その「障壁」となるのは「長時間労働・残業の常態化」(45・2%)が複数回答のうち最も多く、個別回答で「収入維持のためには長時間労働はやむなしだが、子育てや家事との両立が難しくなる」「職場で出世したり認められたりするには、プライベートを犠牲にして働くことが前提になっている」「管理職になると代わりの人間がおらず休暇も取りにくい」などの声が寄せられた。

「父の日」に父親がほしいもの(左)と「母の日」に母親がほしいものの比較=キッズラインのホームページから
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 とはいうものの、「父になってよかったか」という質問には「とても」と「まあまあ」を合わせて94・7%が「よかった」と回答。母親の「母になってよかった」の89・9%を4・8ポイント上回った。

 同社は調査結果について「以前は仕事と育児の両立は母親の悩みだったが、現代では父親も当事者になっている。育児にもっと関わりたい思いがあるものの、職場のルールに従わなければならない父親の苦しい胸の内が明らかになった」と分析している。【山崎明子】

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