鳥取県米子市で5月、幼稚園の送迎用バスと普通乗用車が衝突し、バスに乗っていた園児などがケガをする事故がありました。現場は、ほぼ同じ幅の道路が交わり、信号機も停止線もない交差点でした。身近にも多いこうした交差点では、どちらの車が「優先」になるのか判断に迷うことがあります。教習所でも必ず教わるこのルールをあらためて確認します。

岡本楓賀アナウンサー:
こちらが事故があったバスです。前方部分は大きくへこんでおり、フロントガラスにはヒビが入っています。

5月24日に米子市の市道交差点で起きた事故。幼稚園の送迎用バスと普通乗用車が衝突し、バスに乗っていた園児など6人が軽いけがをしました。現場は、車同士のすれ違いが難しい狭い道路が交わる交差点で、信号機や停止線はありませんでした。
山陰にも数多く存在する、こうした信号機も停止線もない交差点。車同士がさしかかった場合、どちらが「優先」されるのか判断に迷ったことはないでしょうか?
例えば、交差する一方の道路に中央線がある場合だとどちらが優先か?街中で聞いてみました。

市民:
中央線が通っているから青い車かな?

交通ルールの解説は、島根自動車学校の内村憲治さんです。

島根自動車学校・内村憲治さん:
道幅に関係なく、中央線のある道路が優先道路になる。優先道路を走っている車が優先。

続いては、道幅が異なる道路が交差する場合はどうなるのか?街の人に質問したところ多くの人が「道幅が広い方」と正解しました。

島根自動車学校・内村憲治さん:
中央線がなかったり、優先道路の標識がなければ、道幅が広い方が優先。

それでは、米子市の事故現場のように、交差する道路双方の道路がほぼ同じで、中央線もない場合はどうでしょうか?

すると街の人の答えは、「左の方が優先?」と答えた人もいれば、「右側が優先じゃなかったでしたっけ?」、「左側が優先でしたっけ?でもどちらも左側ですよね??」など…運転歴の長い人でも判断に迷います。

実際の道路で、ドライバーのみなさんはどのような対応をとっているのか…松江市内の交差点を観察しました。双方の道幅はほぼ同じ、信号機や停止線はありません。
すると…交差点にさしかかって手前で徐行する車もあれば、交差点でもあまりスピードを落とさず通過する車も…。また交差点を徐行しながら直進しようとした車が、左から車が直進してきたため一時停止したシーンもありました。

島根自動車学校・内村憲治さん:
この場合は、左方優先と言って、左から来る車を妨げてはいけませんという決まりがあります。

交差点を安全に通行するため、道路交通法で「車両どうしの優先関係」のルールが定められています。撮影した交差点のように、ほぼ同じ幅の道路が交わる場合、進行方向の「左手から来る車」に道を譲らなければならないと決められています。いわゆる「左方優先」のルールです。

撮影した交差点の場合、一時停止した車は、ルールに従って正しく通行していました。

「左方優先」の問題に不正解だった市民:
心配ですね。完全にぶつかってますね。

では道幅が同じくらいの「丁字路」の場合は、優先はどちらの車になるのか?

島根自動車学校・内村憲治さん:
丁字路の場合、「道幅が同じくらいであれば」左方優先になる。

「道幅が同じくらい」ならば、直進する車でも、進行方向の左手にいる車が右折または左折しようとする通行を妨げてはならないということになります。

初めて通る道や不慣れな道。一瞬の判断を誤ると「出合い頭の事故」につながりかねません。

市民:
怖いですね、交差点は嫌いです。

島根自動車学校・内村憲治さん:
特に信号機のない交差点は交通事故が多発しているので、交差点手前でしっかりスピードを落として、十分確認して通行するのが基本です。もしぶつかって交通事故になってしまうと、どちらが悪いかは「ケースバイケース」で、双方のスピード、交差点の手前でのブレーキ操作、交差点の形状(見通しが良いか悪いか)などいろいろなことを総合的に判断して、過失の度合いが判断される。

道路交通法で「優先ルール」は決められていますが、教習所では、安全のため交差点では減速を心がけるよう教習生に指導しているということです。

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