政治資金規正法の改正を巡って、5日に自民党の修正案が衆議院政治改革特別委員会で可決されました。野党の追及を受けた岸田文雄総理大臣は「法案の中身をこれから検討する」などの答弁を繰り返す場面もありました。

■「検討」点がいくつも…

 衆議院の特別委員会で答弁に立つ岸田総理。議員立法の場に総理が出席するのは極めて異例です。

日本共産党
塩川鉄也衆院議員
「5万円超というのはパーティー1回に限った話であって、年間ではありません。4回あれば20万円を超えるというのと、同じことになるんじゃありませんか」

岸田総理
「政治活動の自由と一方で透明性を高める、従来より引き下げるということで、2つの課題に対するバランスのありようを考えた」

 今回の改正案。自民党は、修正に修正を重ねてきました。政策活動費については、維新が求める“支出額に関係なく10年後に公開”とする案を組み込みました。

立憲民主党
岡田克也衆院議員
「何でもかんでも“政策活動費”という名前が付いたら、認められるということでは。事実上の脱法行為をどんどん認めてしまうということになると思うが、いかがですか」

岸田総理
「配慮しなければならない点、こういった点に配慮しながら具体的なルールをこれから作っていくと承知をしております」

国民民主党
長友慎治衆院議員
「領収書が“10年後にない”“紛失した”感熱紙タイプの領収書もありますよね。10年も印字は残りません、消えますよ」

岸田総理
「法案が成立したあかつきには、領収書を滅失・毀損した場合の対応、罰則の要否について検討が行われると認識している」

 成立を目指す法案には、これから検討していくものがいくつもあるというのです。

■“新しい人”で解散総選挙か

 改正案は、6日に本会議で可決され、7日から参議院で審議が始まる予定です。改正案を巡るドタバタ劇に党内からも不満が噴出しました。

自民・閣僚経験者
「いずれにせよ総理のグリップが効いていないということ。維新の提案なんかのんでもしょうがない。10年後にはみんな忘れている」

自民・ベテラン議員
「幅広く合意を得るのはその通りだけど、それなら最初からそうしとけよっていう話だ」

 今国会での解散を考えていないとしている岸田総理。3カ月後の9月には総裁選が控えていますが、専門家はこのように指摘します。

政治ジャーナリスト
田崎史郎氏
「岸田総理の再選は、岸田総理による解散総選挙につながって、それは自民党の敗北につながるってことなんです。自民党が勝利を収めるためには、岸田総理の再選ではなく、新しい人による解散総選挙を求める流れになっていくんじゃないかなと思います」

(「グッド!モーニング」2024年6月6日放送分より)

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