札幌市北区の北海道大学周辺は学生街ということもあり、実は激安グルメの宝庫でもあるんです。

 値上げが止まらない中、お得な食事を味わえる隠れた名店とは。

 午前7時、北海道大学に近い「2階食廊~o-to-ha~」の開店です。

 一番乗りの女性が注文したのは「ご飯セット」です。

 目玉焼き、納豆、煮物に3種類の日替わり小鉢などがつき、この日は豆腐やかまぼこが。

 それに温かいご飯と味噌汁がついて450円です。

 「朝早くこの時間帯からやっているのと、安いのがいい」(一番乗りの客)

 モーニングタイムは午前7時から午前11時まで。

 お得なメニューは他にもあります。

 厚切りの食パンに、ゆで卵とハムを合わせた卵ハムトースト。

 これにフルーツと飲み物がついて480円です。

 週に3日ほど、出勤前に朝食を食べに来るという男性は。

 「今まで朝ごはんは食べていなかったが、ここで食べたら体の調子がいい」(常連客)

 顔と名前は勘弁してという、シャイな店主が腕をふるう朝食メニュー。

 なぜ、安い価格で提供できるのでしょうか。

 「ランチメニューの仕込みは早朝からやらないと間に合わない。その合間をモーニングタイムにして、隙間時間を活用している」(2階食廊~o-to-ha~ 店主)

 ランチの仕込みは毎朝午前6時から。

 その仕込みの合間に調理することで、モーニングタイムの価格を安く抑えているのです。

 「学生が多く住んでいるエリアなので、できるだけ安くて良い献立の料理を食べてもらいたい」(2階食廊~o-to-ha~ 店主)


 北海道大学周辺の激安グルメ、続いては「居酒屋うらばっかり」。

 ショウガが食欲をそそる「生姜焼定食」や、大ぶりのタラを使った「たらフライ定食」など。

 定食には刺し身と3種類の小鉢、味噌汁、ご飯がついて600円。

 さらに、香ばしく焼いた肉が丼を埋めつくす「豚丼」も600円です。

 ランチタイムは午前11時から午後2時までですが、夜の営業でも同じメニューを提供しています。

 「安いしボリューミーで、おいしい。」(常連客)

 「助かります。安い飲食店を狙いますが、ここが一番安い」(常連客)

 「豚バラ焼定食を頼みましたが、刺身がついて600円ですよ。コスパがいいと思いませんか」(常連客)

 コロナ禍で酒類の提供をやめたり、時短営業を強いられたりして店が苦境に立たされた時、救ってくれたのは定食や丼物での収入でした。

 店主の伊藤和夫さんは。

 「大変だったけれど、食事を提供していたからここまでつながった。食事のおかげだと思っている」(居酒屋うらばっかり 伊藤 和夫さん)

 コロナ禍はしのぎましたが、その後、食材や光熱費の値上げの波が襲いました。

 そんな時、常連客からかけられた言葉が。

 「『もう100円くらい上げてもいいのでは。それでもみんな食べに来る』というので、100円上げたのが去年の初めごろ」(居酒屋うらばっかり 伊藤 和夫さん)

 最後に気になっていた、店名の由来を聞いてみると。

 「実はね、『表なし』ということ」(居酒屋うらばっかり 伊藤 和夫さん)

 「うらばっかり」で表がない。

 つまり「おもてなし」の心を表した店名だったのです。

 つらい時を支えてくれた常連客への、精いっぱいの「おもてなし」が激安メニューなのでした。

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