秋田県由利本荘市に、まったく異なるジャンルの商品が一度に手に入る店がある。日常の食事から記念日などの特別な日まで、どんな食卓にもぴったりの食品がそろう、夫婦で経営する人気店の秘密に迫る。

海からほど近く、海風を感じられる由利本荘市西目町の閑静な住宅街に、ちょっと変わった人気の店がある。営業は水曜日と金曜日の週2日。取材した日も、午前11時のオープン前から行列ができていた。

客のお目当ては…。

「カヌレの生チョコ」「メロンタルト2つ」とスイーツを注文する客。

一方で、「サバハム」「この間のタコおいしかった」と魚の話をする客。

店内をのぞくと、スイーツが並ぶショーケースの隣に、魚介類の加工品が並んでいる。

 cake shop nalule’a ・佐々木成美さん:
「漁師の旦那が、6次産業で『魚を加工したものを作って販売したい』というところから始まって、私も趣味でスイーツの店をやりたくて、それを一緒にできないかとこの店を始めた」

店の名前は「cake shop nalule’a(ナルリア)×徳栄丸(とくえいまる)」

佐々木さん夫妻は、妻・成美さんが手作りのスイーツ。漁師歴13年の夫・徳隆さんが魚介類の加工品を販売している。

成美さんが作るのはかわいらしいスイーツ。保存料を使わないのがこだわりだ。

魚介類の加工品は、自宅でも簡単に扱えるよう下処理・調理されたもの。瞬間冷凍し真空加工しているため、鮮度が保たれ、「ドリップ」と呼ばれるうまみ成分などを含んだ赤い液体が出にくいという。

 佐々木徳隆さん:
「こだわりは新鮮さ。漁師がとってきて、すぐに加工しているので、新鮮さを皆さんに味わってほしい」

かわいいスイーツとこだわりの加工品が並んでいることについて徳隆さんは、「おかしいなと思う、外から見たら。そういう面白さも知ってもらって、味わってもらえれば」と語った。

 買い物客:
「あまり見かけないものがあったので、おいしそうだと思って買った。スイーツもおいしくて、家族全員分買った」

 買い物客:
「西目にケーキ屋がなかったので、あると知って行ったら、安いしおいしいし、わざわざスーパーに行かなくてもここでおしゃれなものを売っている。スーパーに売っていないものを売っているから、それで買いに来ることが多い」

 cake shop nalule’a ・佐々木成美さん:
「ケーキを買いに来てくれた客は、『こっちに魚もあるんだ』とか『きょうのおかずもついでに買っていこう』という人もいる。魚目当てに来てくれる人もいる」

この日は午後1時ごろに完売した。

スイーツと魚介の加工品、それぞれの人気商品を試食した。

「冷やしカヌレ」は、カヌレ自体ひんやりしているが、外側は焼き立てのようにパリッとしている。お酒がふわっと香るがそこまで強くなく、甘さもちょうどいいのでぺろりと食べられる。

「ツブ貝のチャンジャ」は、身がとても大きくて食感が楽しめる。唐辛子がきいていて、ご飯にもおつまみにもぴったりだ。

 cake shop nalule’a ・佐々木成美さん:
「魚離れも年々進んでいるので、気軽に食べられる魚を手に取ってもらって、魚をもっと食べてほしいという思いと、疲れているときにスイーツを食べたくなると思うので、見ても食べても楽しめるスイーツを手に取って楽しんでほしい」

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