県内のサクランボはいま開花の時期を迎え、実をつけるための重要な段階に入っている。しかし今年は、高温の影響で自然な受粉は難しい可能性があるとして、県が人工受粉(※)について講習会を開いた。
山形市黒沢の園地で開かれた講習会には、農業関係者など約30人が参加した。
講習会ではまず、今年のサクランボの状況が説明された。
3月28日に一度強い霜が降ったが、多くが発芽前だったため霜被害はほとんど確認されていないという。
そして現在は開花の時期で、作柄を左右する重要な時期に入っている。
しかし県によると、今年は記録的な暖冬と春先の高温の影響で、品種ごとに開花の時期が大きくずれる見通し。
サクランボは、異なる品種と受粉することで実がなるため、開花の時期が大きくずれる場合には、人の手で交配させる人工受粉がより重要となる。
(県農業技術環境課・原田芳郎さん)
「交配する佐藤錦が咲いたころ、受粉樹の花がなくなってしまった場合は、遅れて咲いてくる下の花から花粉をとって佐藤錦につける」
県の担当者は、確実に受粉できるよう「5分咲き」と「満開時」の最低2回は人工受粉を行うよう呼びかけた。
そしてこの時期、もう1つ重要なのが水。開花期のサクランボはより多くの水分を必要とするため、しっかりと水を与えることが必要だとしている。
(県農林水産部園芸大国推進課・近野広行課長)
「開花期間に高温が続けば、一気に咲いてくる可能性があるので、しっかり人工受粉をして結実確保することが大事。しっかりとした管理を適期に行って、おいしいサクランボを届けてほしい」
サクランボの開花時期は、あと2週間ほど続く。
※一般的に、人の手で花粉をつける(受粉させる)場合は「人工授粉」だが、山形県は「人工受粉」としているため、原稿は県の表現で掲載。
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