北九州市教育委員会は12日、同市八幡西区の市立小で5日にあった健康診断後、複数の児童が学校医の60代の男性医師から「下半身を触られた」などと不快感を訴えたと明らかにした。医師は市教委などの聞き取りに医療行為の一環だったと説明しているが、市教委は「医療行為であったとしても、子どもへの配慮が足りなかった」としている。
市教委によると、5日に2年生と5年生の計約90人を対象に内科検診を実施。6日に2年生の保護者から「子どもが陰部を触られた」と苦情があり、学校が全校児童にアンケートしたところ、検診を受けた男女18人が不快感を訴えた。
医師は市教委と学校側の聞き取りに、腸の動きを調べるためにへその周囲に聴診器を当て、ズボンや下着の中に聴診器を入れたと説明。下半身への意図的な接触は否定しているという。
学校はスクールカウンセラーによる児童へのカウンセリングを実施し、11日に保護者説明会を開催。今後の検診は別の医師に依頼する。
文部科学省が1月に出した健康診断に関する通知では、医師が服の下に聴診器を入れたりする可能性があることを事前に児童らに説明することなどを求めている。市教委は「医療行為でも子どもに触る前に一声かけるなど、心情やプライバシーに配慮するという基本を(学校医に)改めてお願いしたい」としている。
保護者の一人は取材に「医療行為と言われても納得できない」と憤った。【山下智恵、反田昌平】
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