20年ぶり2度目の札幌赴任だ。そのころより、住みにくくなったと感じている。スーパーは少なく、東京の格安店より価格も安くない、と個人的に思う。長い冬は雪で動きにくく、光熱費はダントツに高い。
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現存する最古のコンビニチェーンである北のコンビニ、セイコーマートの今を追う連載記事や、イトーヨーカドーや西友が北海道内から撤退する記事を書いた。これらの取材を通じて感じているのは、人口減少により地方からスーパーがなくなることで不便になり、さらに人が減るという構造的な問題が広がっていること。札幌でさえ、人口減が深刻になり、さらに住みにくくなっていくのではないかと懸念している。
北海道を地盤にする企業として踏ん張っているのが、セイコーマートを運営するセコマだ。採算をとるのが難しい地方にも、要請があれば積極的に出店を検討する。だが、一企業の企業努力には限界がある。全国各地で食べられている食品の原料は、一次産品の供給基地である北海道産が多い。人口減が深刻になることによって道内の各地での生産ができなくなれば、それは全国の消費者にも影響を及ぼす。
「大都市圏の食料を道民が支えていることを全国の人に知ってほしい」。セコマの幹部は言う。道内の一次産業従事者の営みを維持していくためには、その人たちの生活を支えるスーパーやコンビニはなくてはならない存在だ。だが、道内では買い物難民が着実に増えている。従事者がいなくなれば生産が途絶えてしまうことを、これからも伝えていきたい。大都会の人にも人口減を自分ごととして考えてもらえることを願いながら。(佐藤亜季)
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