リクルート(東京都千代田区)の調査によると、高校生が1カ月にもらうお小遣いの平均額は今年、5279円となり、昨年より329円増えた。企業で広がる賃上げの動きが、高校生のお小遣いにも波及している?
調査はリクルートが運営する進路情報メディア「スタディサプリ進路」に登録する高校生を対象に実施し、今年が3回目となる。昨年(2023年)の調査で、お小遣いの月平均額は4950円だったが、5000円台に回復した。ただ、一昨年(22年)の5582円に比べると、低い金額にとどまっている。
お小遣いに「満足」という人は、昨年から4・1ポイント増の59・1%だった。自由回答には、「食べ物代にほぼ消える」「友達付き合いに割くお金が足りない」など、物価高を受けてやりくりに苦労する様子がうかがえた。一方で、「進学費用もためるには欲張っていられない」「経済の状況を鑑みて、これ以上親からお小遣いをもらうべきじゃない」などと、苦しい家計事情を気遣う意見もあった。
ではそんな大切なお小遣いを、今の高校生たちはどう使っているのだろうか。
調査では「友達付き合いへの消費」と「自分自身への消費」でそれぞれ、これだけは「削りたくない」ものを聞いた。
友達付き合いで削りたくない消費のトップは「飲食代」の53・5%。次いで「イベント・ライブ・映画・テーマパーク費用」(43・1%)、「プレゼント代」(33・9%)だった。また自分自身への消費では、「イベント・ライブ・映画・テーマパーク費用」(30・5%)が1位で、2位は飲食代(28・2%)、3位には「趣味のゲームや推し活への課金」(27%)が入った。「スタディサプリ進路ブック」の金剛寺千鶴子編集長は高校生たちは「(モノに対する消費よりも)体験価値に対して賢く消費している」と分析している。
調査はインターネットで4月に実施、682人の回答をまとめた。【嶋田夕子】
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