志半ばで戦死した画学生の絵画を展示する長野県上田市の無言館の共同館主に文筆家の内田也哉子さんが就任しました。不戦の思いを次の世代に伝えていきます。

共同館主に就任・内田也哉子さん:
「『誰よりも強く、この世にあってはならない美術館だと思っている』という窪島さんのアンビバレントな思いに触れ、初めて戦争を人ごとではなく、自分ごととして近くに感じたものです」

都内で会見した文筆家の内田也哉子さん(48)と上田市の「無言館」館主の窪島誠一郎さん(82)。6月1日に共同館主に就任したことを発表しました。

上田市の無言館は志半ばで戦死した画学生の絵画を展示しています。毎年、著名人をゲストに成人式を開いていて、2016年には内田さんの母親の樹木希林さんがスピーチをしました。

樹木希林(2016年):
「(戦争の記憶が薄れると)また戦争をやっても良いんじゃないかという人が増えるのではと、無理矢理に武器を持たされた若者がどういうふうに変わっていくか。こんなバカなことやめましょうよ」

内田さんも2022年、成人式にゲストとして出席していて、2023年暮れ、窪島さんから共同館主への就任を打診されたということです。

窪島誠一郎さん:
「変な人ですよ、あの人(樹木希林さん)」

内田也哉子さん:
「ちょっと似てます、窪島さんと、変なところが」

内田さんには若い世代に不戦の思いを伝えていく役割が期待されます。

無言館・窪島誠一郎さん:
「也哉子さんが持つ若い感覚、若い世代に無言館の仕事がつながっていくことに、大きな大きな戦力になってくれると信じ、願っている」

共同館主に就任・内田也哉子さん:
「今なお戦争が絶えない世界に生きる一人として、窪島さんと共に無言館という稀有な美術館の存在を皆さんに精いっぱい伝えられれば」

会見では、「無言館京都館」を開設した立命館大学が業務運営をサポートする理事や評議員を無言館に派遣するなど連携を強化することも発表されました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。