北海道で暮らす働くママの1日を追いかける観察ドキュメント「ママドキュ」。子育ても仕事も頑張りながら働くママさんたちのリアルな1日をのぞくと、限られた時間で家事・育児をこなす究極の時短ワザの連続でした。

今回の主役は札幌市手稲区に住むじゅんこさん47歳。夫のだいちさんと4歳の男の子の子育てに奮闘しています。長男のやまとくんは生まれつき体に障がいがあり、細かな健康管理や医療的な支援が欠かせません。

子育てだけでも大変なのに、お仕事は体力勝負の看護師さん。

お世話をしている入院の患者はわが子と同じ生活のあらゆる支援が必要な人たちです。

「どんなときもその人らしく生活できるってなんだろう」と考えながら仕事に打ち込んでいます。


「わが子がわが子らしく生きるにはどうしたらいいのだろう」じゅんこさんが見つけ出した暮らし方に密着しました。

朝6時30分起床。

いつも寝不足、これが子育て中の朝。だからこそ朝食は好きな料理を食べて気合を入れるそう。

かぼちゃと小豆がとにかく食べたくて、朝から面倒な煮物と思いきや、何やら仕込んであったようです。


普通の鍋であずきを煮ると、手間も時間もかかるあずきや大豆ですが、じゅんこママは、保温容器に豆と熱湯を入れるだけのほったらかし調理で時短しているんです。

毎朝欠かさないという味噌汁には、夕飯の野菜の残りや、冷凍保存している油揚げ、野菜中心の健康的な食事を無理なく続ける工夫が詰まっています。


前日に仕込んでいたサラダ、かけるドレッシングにこだわりが…。


じゅんこさんがリピート買いしているというのが、六花亭の百鬼ドレッシング。

中札内村にあった人気レストラン百鬼のレシピを六花亭が引き継ぎ、2015年から販売している商品です。

ベースは国内製造にこだわった菜種油。ただ美味しいだけではなく、体に良いのもお気に入りのポイント。マスタードの酸味も少しあって濃厚なドレッシングです。


じゅんこさんが朝食を作る間、やまとくんのお世話は、理学療法士でもあるパパだいちさんの担当です。

染色体異常で生まれたときから全身に様々な障がいを持つやまとくん。たんの吸引や人工呼吸器など、医療的なケアが常に必要不可欠です。

「はじめての子どもだから夫婦で一緒に育てたいと思っていた」というじゅんこさん。

パパだいちさんも医療的なケアができると思っていたそうですが…

「(夫・だいちさんは)ほぼ素人に近かったので、(医療ケアが)できると勝手に思っていたんですけど」(じゅんこさん)

「入院中に全部やったのかな。練習するんですよね。(今は)できないことはないと思う」(だいちさん)


泣いたり喚いたりはしないやまとくんですが、言葉はなくとも表情で会話ができるといいます。

出勤が遅めのパパに子供を託して家を出ます。

じゅんこさんの職場は山の上にあるのですが、朝からため息。

その理由は、92段もある階段でした。

「ええ~ これ登るの」(ディレクター)


すでに息切れのじゅんこさん。やっと登頂成功かと思いきや、4階から7階へまた階段。

「おはようございます」(じゅんこさん)


病院で看護師として働くじゅんこさん。患者は主に入院しながらリハビリに励む高齢者。

衣食住まで幅広い世話をする中で、大和くんの将来のことも考えるようになったといいます。

「やまとのこととして、より医療を考えるようになった。寝たままの生活ではないはずだから人って。どんな時もその人らしく生活できるってなんだろうなって。そのうち(子供が)親元を離れるとき、どういうカタチがいいのかなとか考える」(じゅんこさん)

3時50分に退勤したじゅんこさんですが、そのまま子どものお迎えへ。


やまとくんがママの帰りを待つのは、看護師や保育士がいる障害児専用のデイサービス。

ここに預けられる状態になるまで、小さな体で5回もの手術を受けました。

「預けるところがなかったら、子どもも預けられる状態じゃなかったら、ずっと家にいるのかっていったら社会から消え切り離された気になってもがいていたと思う。ハッと見たらかわいいねと思って、こうやって親バカは出来上がるんだなと思いながら」(じゅんこさん)


週に一度、自宅で理学療法士のリハビリを受けているやまとくん。

この隙に純子さんはデイサービスに持参した大量の荷物を超特急で片付けます。

その後は二人でひと休み。


「やまとが生まれてから障害がわかって、私もショックで泣いてはいましたけど、旦那も1日は泣いてましたけど翌日からケロッとして、もちろん悲しいけどそんなことばっかり言ってられないよねって。障害があったのもやまとの運命としてとらえて頑張っていくしかないでしょみたいな」(じゅんこさん)

頑張り屋さんのママと前向きなパパ。僕はここなら安心だって、2人を選んで生まれてきたんだよ。

やまとくんの寝顔が私達にそう教えてくれているような気がしました。


この日の夕飯はパスタ。

庭で育てた長ネギや冷凍のブロッコリーなど、野菜がたっぷり。

味付けは自家製の塩麹のみでシンプルに仕上げるのがお気に入りだそう。

料理が完成したら、ここで純子ママのベストバイ。

大和くんのご飯は大人の食事を取り分けてペースト状にします。

そのときに欠かせないのが岩谷産業のクラッシュミルサー。


ミキサーと違って、氷や冷凍食品などの硬いものも粉砕できるので、すり潰しが面倒なジャムやスープも簡単に作れちゃうんです。

じゅんこさんは3年前、医療的ケアが必要な子供たちの家族の会を北海道内で立ち上げました。

仲間と交流したり、障害児を産んだばかりの家族の相談を受けたり、自分の経験を役立てたいと思っています。


「この先は多分家族だけの生活じゃなくて、いろんな人の手を借りて生活していくことになる。こういう子だから手を借りるだけじゃなくて、みんなどの人も1人では生活できない。お互い助け合って生活していく社会の中で、私たち親がいない後も生活できるようになればいい」(じゅんこさん)

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