容器からコロン! カバヤの「ジューC」(左)と「ジューCカラーボール」=大阪市北区で2024年4月9日、川平愛撮影
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 「ジュ~~C」と独特のメロディーのコマーシャルでおなじみの「ジューC」。タブレット状のラムネで、子どもにも持ちやすい円柱形のプラスチック容器に入っている。昔も今も人気だが、いろいろと進化しているらしい。今どきのジューC事情、教えてほしい。

 製造しているのはカバヤ食品(岡山市)。広報担当の廣井良伸さん、ジューC担当の横部新太郎さんと新田夏穂さん、玩具菓子担当の清水隆秀さんに話を聞いた。

 ジューCは1965年発売。きっかけは「当時人気があった粉末ジュースを、もっと手軽に食べてもらいたい、との思いからでした」と廣井さんは話す。ジュースを固めるようなイメージで、ビタミン錠剤をヒントに大きめのタブレット状に。ジュースとビタミンCを合わせて命名した。現在はビタミンCは入っていないというが、親しみやすい語感ですね。

 最初はオレンジ味やレモン味などを発売した。軟らかいラムネが主流の中、なめてもかんでも楽しめる硬さと清涼感のある味で、子どもたちの人気を集めた。ふた付きのプラスチック容器に入っているので、好きな量を取り出して食べられ、持ち運びやすい。これまでにコーラフロート味やショートケーキ味などの変わり種を含めて50種類以上を販売した。

多彩なカバヤのお菓子=大阪市北区で2024年4月9日、川平愛撮影
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 定番の味は「グレープ」と「サイダー」の2種類。実はこれ以外にも手軽に糖分補給できる「ジューC グルコース」もインターネットで販売している。1型糖尿病患者の家族からの要望で誕生した商品で、「食べる量が分かりやすく、お薬のような見た目なので、学校にも持っていきやすいんです」と廣井さんが教えてくれた。ジューCが患者さんの暮らしを応援しているとは! ちなみに熱中症予防対策で人気の「塩分チャージタブレッツ」にも、ジューCで培われた技術が生かされている。

 小粒で丸っこい形の「ジューCカラーボール」もある。メロンソーダやコーラなど五つのソーダ味のカラフルな糖衣ラムネで、プラスチック容器入り。こちらも好きな量を取り出して食べられる。

ラムネ使って遊べる「ガチャ」

 このラムネを使って遊べる「つくろう!カラーボールマシン」という商品もある。「ガチャガチャ」(カプセル自動販売機)のように、ハンドル部分を回すとカラーボールが1粒出てくる仕組みだ。以前は完成品を販売していたが、組み立て式に改めた。清水さんは「『ガチャガチャ』の構造を学ぶこともできます。作る過程も楽しんでほしい」と話す。

作りながらガチャガチャの構造を学ぶこともできる=大阪市北区で2024年4月9日、川平愛撮影
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 確かに、実際に組み立ててみると、一つ一つのパーツの役割がよく分かり「なるほど」と感心する。子どもが1人でもできるよう、パーツの構成などが工夫されている。作業はスムーズに進み、数分程度で完成した。お菓子を食べきったら「ジューCカラーボール」を詰め替え用として使えるので、長く楽しめそうだ。

 カバヤは戦後間もない46年に創業した。社名は「おとなしく、平和を愛する」というイメージがあったカバにちなんだという。大きな口でおいしいものがたくさん食べられる時代になるように、との願いも込められている。

 「カバヤキャラメル」が最初に人気となった。カバヤの名前をさらに有名にしたのはキャンペーンの景品「カバヤ児童文庫」。「シンデレラひめ」など世界の名作を取り扱い、52~54年に発行された総部数は、何と推定2500万冊! 景品にもかかわらず、その質の高さで、学級文庫として利用されることもあった。今でも、デジタル岡山大百科(http://digioka.libnet.pref.okayama.jp)内で読むことができる。

 52年には、見た目がカバにそっくりの「カバ車」を宣伝用に導入した。15台以上が全国を回ったこともあり、一気に知名度が上がった。53年には「カバ子」と名付けた本物のカバを水槽付きトラックに乗せ、西日本を中心に巡回した。

 ちなみに「カバ子」は後に「デカ」と名を変えて、いしかわ動物園(石川県)へ。2010年に死ぬまで、多くの人たちに愛された。推定58歳で、国内最高齢のカバと報じられた。人間でいえば100歳以上という。

 おいしいものを作るにとどまらず、子どもの心も育てたいという思いは、創業時から一貫している。新田さんは「子どもの成長に貢献し、寄り添えるような商品をと思っています」と語る。横部さんは「楽しい、プラス何かお役に立てることを、と思って商品を作っていきたいです」。「おいしい」も「楽しい」も、しっかりカバーしています!【水津聡子】

女の子が夢中「セボンスター」

 玩具菓子も得意分野だ。今年で誕生45周年を迎えるセボンスターは、79年発売のアクセサリー付き菓子。こちらも清水さんが担当している。「玩具菓子を作っているからカバヤに入りたかった」というだけあって、女の子のおしゃれ心を満たす商品を次々と生み出している。

女の子に人気の玩具菓子「セボンスター」(中央)=大阪市北区で2024年4月9日、川平愛撮影
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 4カ月に1回程度のリニューアルも驚きですが、「パッケージに20種類と書いていますが、色違いを含めると85種類ですよ」というから、さらにびっくり! アクセサリーを集めるために「大人買い」する人もいるとか。その気持ち、分かります。

 男の子に大人気なのは「ほねほねザウルス」。02年発売で、恐竜などの骨をモチーフにした、くみたて式のプラキットが入っている。説明書にないオリジナル作品も作れるし、他の骨パーツを組み合わせれば、さらにいろいろと遊べる。これは、はまりそうだ。

 お菓子も芸が細かい。パンダの形のビスケット「さくさくぱんだ」は、表情が70種類もある。「ピュアラルグミ」「TOUGH GUMMY(タフグミ)」などさまざまな食感と形のグミは、見ているだけでも楽しい。

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