宮崎県に調査後の方針を問う「みやざき高次脳機能障がい家族会あかり」のメンバーら=宮崎市の県防災庁舎で2024年5月29日午後2時42分、塩月由香撮影

 宮崎県は病気やけがで脳に損傷を負い、記憶力などが低下する「高次脳機能障害」の人が県内で少なくとも7054人いるとの推計を明らかにした。同障害は外見からでは分かりにくく「見えない障害」とも言われる。県は調査結果を支援体制の整備に生かしたい考えだ。【塩月由香】

 実態調査は2023年9~11月に初めて実施し、医療機関106施設から回答を得た。同年4~6月に新規入院し、高次脳機能障害との診断を受けた人の数などから1年間で新たに992人が当事者になったと推計、それを基に7054人という全体数を出した。

 県はこれまで東京都の調査結果を基に4200人と推計していたが、今回の調査では約1・7倍になった。結果は県庁であった関係者らによる支援連絡会議で報告された。

 県は当事者42人と相談支援事業所など150施設からも協力を得て、同障害を巡る現状を調べた。

 県の担当者は「退院後に高次脳機能障害と気づくことも多く、実際にはもっと当事者がいると考えられる。調査で出た課題を踏まえ支援体制を築きたい」と述べた。

 実態調査を求めてきた「みやざき高次脳機能障がい家族会あかり」(宮崎市)の飛田洋会長は「他の障害と比べて県の予算や人員が圧倒的に少ない。調査で終わらず体制を拡充してほしい」と求めた。

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