富士山を山梨県側から登る吉田ルートで7月1日から通行規制が導入されるのを前に、県は19日、5合目のゲート前でリハーサルを行った。県職員や警備員ら30人が参加。料金所からゲートまでの誘導や、軽装登山を試みる人への対応などを確かめた。
規制は、県がオーバーツーリズム(観光公害)対策として実施する。登山道の混雑や弾丸登山を防ぐため、登山者を1日4千人(山小屋宿泊者を除く)までとし、午後4時~午前3時はゲートを閉鎖する。1人あたり通行料2千円を徴収し、予約システムも導入した。
料金所でのリハーサルは、予約と事前決済を済ませた登山者のほか、予約なしの外国人が訪れたと想定。係員が外国語でクレジット決済などの流れを説明した。受け付けを終えた人には、ゲートの通行証となる黄色いリストバンドを手渡した。
料金所から約50メートル先にあるゲートでは警備員2人が待機し、リストバンドを着用した登山者をゲートの先の登山道に通した。
料金所周辺では、軽装登山者に対する指導の仕方も確認した。
半袖姿やサンダル履きで現れた男性に対し、指導員は「登山はやめた方がいいですよ」と注意。男性が「慣れているから余裕ですよ」などと主張すると、指導員は「登山道は石がゴロゴロしているし、きちんと装備した方が楽しめる」と話し、5合目の店で登山に適した服などをレンタルするよう説得した。
一方、県の担当者は「説得の難航は当然想定される。登山道でも指導員が下山を勧めるなど粘り強く説得したい」と話す。
リハーサルには長崎幸太郎知事も登山者役として参加し、記者団に「規制に理解と協力を頂きたい」と話した。(池田拓哉)
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