東海道新幹線に設ける個室席のイメージ

JR東海は17日、東海道新幹線に完全個室席を導入すると発表した。2026年度中に提供を始める。1編成につき2室を用意し、1室1〜2人の利用を想定する。グリーン車の上級クラス座席として位置づけ、プライバシーを重視するビジネス客や個人客の需要を見込む。

JR東海の丹羽俊介社長は同日の記者会見で、導入の狙いについて「移動のニーズの多様化に対応していかなければならない」と語った。提供区間は山陽新幹線を含む東京―博多駅間を想定しており、今後JR西日本と調整して決める。

導入するのは最新型車両「N700S」の一部。個室には専用のWi-Fiのほか、自由に調整できる照明や空調を設置。周囲を気にせずにオンラインの打ち合わせなどを行いやすくする。リクライニングシートには脚を伸ばしてふくらはぎを置けるレッグレストも付く。

価格やサービスの詳細は今後詰める。JR東海によると、価格は既存のグリーン車やビジネス向けシートより高くなる見通しという。個室は車両の業務用スペースなどを転換して設けるため、既存の指定席やグリーン車の座席数は減らさない。

東海道新幹線の個室席はかつて運行していた「100系」で提供されていたが、03年の同車両の引退に伴い運用がなくなった。現在、新幹線の個室としては、JR西が山陽新幹線の「こだま」の一部で提供している「コンパートメント」のみとなっている。

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