室蘭から道南の森町まで30分足らずで飛んだドローン=北海道室蘭市内で2024年6月20日午後0時21分、平山公崇撮影

 伊藤忠商事(東京)は20日、北海道南西部の内浦湾上で医療機器をドローンで輸送する実証実験を行った。陸路では車で片道2時間あまりかかる室蘭―森間を海上をほぼ直線で飛行することで約30分で移動し、輸送の効率化を証明した。

 実験に使用されたドローンはドイツ・ウィングコプター社の「W198」で、標準速度が時速90キロ、最大飛行距離は110キロ。脳梗塞(こうそく)の血栓回収に用いる機器を輸送した。

勢いよく離陸するドローン=北海道室蘭市内で2024年6月20日午後0時21分、平山公崇撮影

 血栓吸引カテーテルなど約700グラムの荷物を積んだドローンは、正午過ぎに室蘭市・イタンキ浜の潮見公園から離陸。一気に100メートルまで高度を上げて森漁港を目指した。

 森町までは、陸路では海沿いを大きく回り約160キロ走行しなくてはならないが、海上の飛行距離は3分の1の約50キロ。追い風を受けたドローンは、28分後に到着した。

 伊藤忠商事航空宇宙部航空宇宙第一課の中田悠太プログラムマネジャーは「医療機器の輸送には緊急性が求められる。ドローンは輸送効率化に大きく寄与できる」と話していた。【平山公崇】

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