空一面を覆い尽くす、おびただしい数の黒い鳥は、千葉・市川市で撮影されたカワウの大群。今、このカワウが市内の一部に住み着き、臭いが強烈なフンで道を埋め尽くしたりと住民を悩ませている。
1万羽のカワウが生息…ふんも大量に
2022年2月頃に「NPO行徳自然ほごくらぶ」が撮影した映像に映る無数の鳥。
この記事の画像(12枚)この無数の鳥はカワウの大群だ。
樹木に止まっているカワウは、下から確認できる限りでも50羽以上で、異様な光景となっている。
今、このカワウが、市内の一部にすみ着き、住民を悪臭被害で悩ませているのだ。
カワウの体長は約80cmで、大群がとまる樹木には、いくつもの巣があり、カワウたちがこの場所をすみかにしていることが分かる。
無数のカワウがすみ着いたのは、千葉・市川市にある「行徳鳥獣保護区」。
県の自然保護課によると、約1万羽のカワウが生息しているという。
その保護区内の樹木を見てみると、ところどころが真っ白になっている。
これらは全てカワウのふんで、枝葉は枯れているように見える。
常に群れで行動する習性に“悪臭被害”も深刻
今、周辺住民を悩ませているのが、悪臭被害だ。
保護区近くの電線にとまる無数のカワウ。その下を歩いてみると、生臭く魚が腐ったような臭いがして、歩道は一面真っ白、生け垣の葉っぱも白く染まっている。
この状況に、住民たちは「通りがほとんど通れないくらい臭いがひどい」「臭いがキツイ。この瞬間だけ、ちょっと息をなるべくしないように歩いている」などと話し、うんざりしている様子だ。
住民の多くは、カワウが止まる電線の下ではなく、反対側の通りを歩いていた。
これだけ被害を大きくしている要因は、常に群れで行動するその習性にある。
1つの場所に数えきれないほどのカワウが止まるため、その一帯に悪臭被害が集中しているのだ。
住民は「(清掃は)もう追いつかないのが現状なのかと思う」と話した。
県は保護区内の生息数を抑制するため、毎年樹木を伐採したり、別の場所にカワウを誘導したりしているが、それでも生息数は2022年から1万羽前後で推移しているのが実情だ。
県の担当者は、2024年度も保護区内の樹木を伐採する計画で、実施期間は検討中としている。
(「イット!」6月25日放送より)
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