愛媛は養殖マダイなどで日本一の生産量を誇ります。この「水産王国」が次世代の養殖魚に選んだのが市場の価格が高い「マサバ」。県の水産研究機関が今年5月に完全養殖に成功し、一部の業者へ6月26日に稚魚が渡されました。「愛媛産マサバ」試験的な養殖がスタートし、県は来年の出荷を目指し生産量日本一を狙います。
正本健太キャスター:
「県の施設にやってきました。こちらでは、今年完成した立派な水槽が並んでいます。その水槽の中に、およそ3万匹以上のマサバの稚魚が元気よく泳いでいます」
天然ものでは秋から冬にかけてが旬で、脂のノリがよく旨味が強い「マサバ」。県の水産研究センターは、新たに水槽を使ったマサバの陸上養殖を始め、今年5月に完全養殖に成功しました。完全養殖は人工的にふか化した魚から卵を取って育て、再びその個体の卵から稚魚にすることです。
正本キャスター:
「間近で見てみますとピチピチ跳ねてますね。独特な縞模様が特徴ということです」
愛媛はマダイなどの養殖で日本一。まさに「水産王国」です。次世代の養殖魚にマサバを選んだ理由は。
県農林水産研究所水産研究センター・渡邉昭生センター長:
「愛媛県の場合は、種苗(生産)の供給が限定的なのと、天然種苗よりも安定的に提供できる」
水産研究センターによりますと、養殖マサバは出荷までの期間が最短で1年で他の養殖魚と比べ比較的短いことが特徴。また食中毒の原因になる寄生虫の発見例がほとんどなく、刺身として提供しやすいといいます。さらに生産者が小売店などに卸す全国の平均市場価格は1キロで最大2000円。養殖のタイより約2倍の高値がつくということです。
水産研究センターは去年、豊後水道で獲れたマサバを親魚を人工採卵させて子世代をふ化させ、その後に孫世代が誕生。エサになるプランクトンなどを与えながら体長約8センチに成長させました。
このマサバの稚魚を使った試験養殖に南予の4つの業者が取り組むことに。渡すのはあわせて約2万8000匹。このうち26日は愛南町の「中田水産」の大戸友也さんに約8000匹が引き取りました。
中田水産・大戸友也さん:
「まだまだ養殖のサバを知ってない人たちもいるので、もっと日本全国に出るようになったらいい」
渡邉昭生センター長:
「サバといえば愛媛県と。研究を進めて将来的には(養殖生産量)日本一を目指せるように貢献していきたい」
試験養殖ではマサバの稚魚を海で体長30センチ~40センチ程に成長させ、早ければ来年春以降の出荷開始を目指したいとしています。
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