忙しい先生たちの負担を減らす取り組みです。中学校の先生の時間外労働時間。県教育委員会によりますと、昨年度、1カ月の時間外労働が45時間以上となったのは、中学校の先生の46%に上り、このうち10.8%は80時間を超えています。
こうした長時間労働が問題となる中、負担軽減につなげようと、宮崎市の中学校では、テストの採点がデジタル化されました。
テストの採点は、教諭の長時間労働の原因の一つになっています。
宮崎市では、採点業務を簡略化し、負担軽減につなげようと、今年度約380万円をかけ、市内の公立中学校25校でAIを活用したデジタル採点システムを導入しました。
1日から定期テストが始まった本郷中学校では…。
(藤崎祐貴アナウンサー)
「きょう行われたテストの採点が早速、行われているんですが、教員の皆さん、解答用紙ではなくパソコンで採点を行っています」
今年度から本格的な運用が始まったデジタル採点システムでは、解答用紙をコピー機でスキャンしてデータ化し、専用のソフトに取り込んでパソコン上で採点します。
記号問題や数式などはAIが自動的に採点。記述問題も複数の生徒の解答を同時に表示することで、効率良く採点することができ、採点に合わせて合計点も自動で計算されます。
(英語 吉田侑平教諭)
「今までだったら1クラス2時間くらいはかかっていたと思うのですが、デジタル採点になって半分くらい、1時間あればつけられる感じです。特に、部活動の時間に優先して使うことができるので非常にありがたいと思っています」
(理科 河野茂子教諭)
「かなり早く採点が終わるのでとても楽ですね。テストの日にかなり遅くまで残って採点していたので、それがなくなったのがだいぶ楽にはなりました」
宮崎市では昨年度、本郷中学校を含む市内5校をモデル校に指定し、実証実験を実施。デジタル採点の導入で作業時間は従来の128分から77分になりました。
一方で、こんな意見も。
(保健体育 谷村みつる教諭)
「機械でも間違っているところもあって、それを確認する作業もあるので、そこは二度手間だと思う。トータルで言うと早いとは感じました。自分も手作業での丸付けは早いんですけど、やっぱり疲れます」
このデジタル採点、使うか使わないかは、それぞれの判断に委ねられます。
(吉村謙二教頭)
「パソコンに対して苦手意識を持っている先生方は、やはり今後どうしていくのかひとつの課題。1回だけでは慣れず、あまり良さを感じない先生もいると思うので、できれば2回、3回と使ってもらう。そして、それをサポートしていける体制ができると良いと思っています」
宮崎市教育委員会では、より多くの教諭が利用できるようサポート体制を充実させ、業務の効率化につなげたい考えです。
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