太平洋に面した美しい海岸線が広がる鹿児島・大崎町に、プロビーチバレーチーム「バクスカタナ大崎」が誕生した。プロのアスリートチームが、本気で地域おこしに取り組むという前例のない二刀流のチャレンジが注目されている。
町との連携プロジェクトの一環で誕生
大崎町は、大隅半島の中央部に位置する人口1万3000人ほどの小さな町だ。この町にあるごく普通の一軒家で、プロビーチバレーチーム「バクスカタナ大崎」のメンバー男女4人が、共同生活を送っている。
この記事の画像(12枚)企画運営の釘本華代さん(福岡出身・39)、選手の渡邉南海アディアさん(カナダ出身・21)、選手の高辻朝基さん(兵庫出身・22)、トレーナーの藤永良典さん(長崎出身・44)の4人は、それぞれがチームに欠かせない役割を担っている。
バクスカタナ大崎は、バレーボールのVリーグに加盟する「兵庫デルフィーノ」が運営母体となって、全国に展開するビーチバレーチームのうちの1つで、町の経済にスポーツビジネスを取り入れたい大崎町との連携プロジェクトの一環で誕生した。
2023年のかごしま国体で、ビーチバレー競技が大崎町で開催されたことも大きなきっかけだったそうだ。
バクスカタナ大崎はメンバー全員が、プロビーチバレーチームのメンバーと地域おこし協力隊員の二足のわらじを履いて活動している。
自分たちの思いを胸に事業計画を立て、一方ではプロアスリートとして活躍する彼らについて、大崎町の東靖弘町長は「二足のわらじを履きながらというのがすごくうれしかったし、そのまま進めていってくれたら」と目を細める。
メンバーの一人は“四刀流”
前例のない取り組みだが、4人とも前向きに取り組んでいる。特に兵庫県出身の高辻さんは、ビーチバレーの選手としてだけでなく、V3リーグでも選手として活動している。さらに地域おこし協力隊員や、中学校ではコーチまで務め、二刀流どころか“四刀流”の生活を送っている。
自分にとってビーチバレーは新しい挑戦だったという高辻さんは、地域おこしについても「教科書はないが、大崎町民の気持ちを第一に考えながら行動している」と充実した表情で語った。
始動したばかりの挑戦に期待
彼らの練習場所の1つ、大崎町の横瀬海岸にある専用競技場に同行し、リポーターもビーチバレーに挑戦してみた。
炎天下のビーチバレーは、日差しと照り返しで想像以上に体力を消耗する過酷なスポーツだ。しかし、開放感がとても心地よいスポーツでもある。最初はぎこちなかったリポーターのオーバーハンドパスも繰り返すにつれ、膝のバネをうまく使い、相手にきちんとボールが返るようになった。
「たまにはここに来て、はだしになってまたビーチバレーをしたい」と言うと、メンバーは「待ってます、ぜひ来てください」と拍手で歓迎してくれた。
ビーチバレーを中心に、それぞれのスキルを生かした活動で、大崎町を少しずつ良くしていくのがプロジェクトの目的。プロのアスリートチームが本気で取り組む地域おこしが、大崎町にどんな変化をもたらすのか楽しみだ。バクスカタナ大崎の挑戦はまだ始まったばかりだ。
(鹿児島テレビ)
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