山形・寒河江市に7月8日、屋内クライミングを楽しめる施設がプレオープンした。障害者に働く場を提供する「就労継続支援A型」の事業所として運営され、健常者との新たな交流の場になることが期待されている。
就労支援を兼ねたクライミングジム
寒河江市の中央工業団地内に完成した「ノバリア クライミングジム」。ロープクライミングやボルダリングなどの設備を備え、日本最大級の高さ約17メートルの壁が特徴だ。
この記事の画像(8枚)このジムは、病気や障害などで企業への就職が難しい人に、働く場所や訓練を受ける機会を提供する「就労継続支援A型事業所」として設立された。
運営会社の関係者が視覚障害のあるパラクライマーの活躍に感銘を受けたことがきっかけだった。
ノバリアクライミングジム・畑原庸佑店長は、施設名の由来について「NO BARRIERSという英語がある。障害のある人もない人もみんな平等だという意味を込めた」と話す。
現在は6人の障害者がスタッフとして携わり、障害の程度によって館内の掃除や受付、併設するカフェの調理や配膳などを担当していた。
障害者スタッフの活躍
就労支援の1つに「ビレイ」と言われるロープ操作がある。
「ビレイ」とは、クライマーが上るときに下でロープを操作し、安全を確保する大切な役割で、クライマーと息を合わせて操作することが重要だ。
軽度の知的障害がある庄司大和さんは、掃除や受付の仕事だけでなく、ビレイに必要なロープの扱い方などを8日のプレオープンに合わせて習得した。
庄司さんは「登っている相手の様子を見たり、自分の立ち位置を確認したりするのを意識付けでやってしまうと、手の動きがままならない。全体的に見て操作することを意識している」と話す。
就労継続支援の事業所としてのクライミングジムは、全国的にも珍しいという。
障害者と健常者が共に楽しめる施設
クライミング愛好者からの注目度も高く、遠く青森からわざわざやって来た小学生の男の子もいた。
青森から来た小林統理くん:
とても高かった。すごく広くて今まで行ったジムの中ですごくワクワクした。
畑原店長は「障害のある人もどんどん来てほしいし、健常者でもクライミングを経験したことがない人もどんどん来てもらって、クライミングというスポーツを地域活性化につなげていきたい」と意気込みを話す。
「ノバリア クライミングジム」は9月上旬に本格オープンを予定し、将来的に20人程度まで障害者の雇用を広げたいとしている。
(さくらんぼテレビ)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。