埼玉県教育委員会が入る埼玉県庁第2庁舎(奥)=山越峰一郎撮影

 埼玉県教育委員会は、県立高校共学化の賛否などについて現役中高生らに尋ねたアンケート結果を公表した。高校を共学化すべきかについて、中学生は過半数が「どちらでもよい」と答え、自身の進学先については「共学に行きたい」との回答が半数を超えた。一方、高校生は「共学化しない方がよい」が6割近くを占めており、中高生で意見が分かれた。【鷲頭彰子】

 アンケートは4月から5月にかけて実施。当初は無記名だったが、途中から記名式に。記名での有効回答数は計6万4829件で、内訳は中学生2万4343件、高校生7286件、保護者3万3200件だった。

 県立の別学校12校を共学化した方がよいか尋ねた質問では、中学生は「どちらでもよい」が56%で最多。「共学化した方がよい」と「しない方がよい」はそれぞれ18、19%で賛否が拮抗した。

 一方、高校生は「共学化しない方がよい」という反対意見が最多の57%で、「した方がよい」は7%。「どちらでもよい」が33%だった。共学化に反対する理由は「共学、別学両方を選択できる」が35%と最も多かった。

 また、中学生に進学希望先を尋ねると、「共学へ行きたい」が56%に上り、「別学に行きたい」は6%にとどまった。「どちらでもよい」は25%だった。

 高校生には、現在通っている学校を選んだ理由を尋ねた。「自分の学力に合っている」が28%と最も多く、「部活動や学校行事に魅力がある」が16%と続いた。「共学だから」は5%、「別学だから」は6%だった。

 保護者が子供の学校を選択した理由は「子供の能力・適性に合っている」と「子供が志望している」が上位で、共学、別学へのこだわりは低かった。一方、高校共学化については「共学化しない方がよい」との回答が最も多く、中学保護者の43%、高校保護者の68%を占めた。理由は「共学、別学両方を選択できる」などだった。

 アンケートは、県立高校の男女別学校に対し、県男女共同参画苦情処理委員が「共学化の早期実現」を求める勧告を出したことを受けて実施した。県教委は今回の結果も参考とし、8月末までに勧告に対する報告書をまとめる。

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