独自取材でニュースを深堀りするコーナー「シンソウ」です。海水浴シーズンに海で安全に遊ぶために、穏やかな瀬戸内海に潜む“危険”を取材しました。

もうすぐ夏休み!これから海や川で遊ぶ予定を立てている人も多いのでは・・・そんな中、気を付けたいのが水難事故です。

(岡山県渋川青年の家 砂子寛己さん)
「1人は黄色いポールにしがみついて上がっていた。もう1人は流されて見えない状況になっていた。3キロくらいは流されていたのでは」

玉野市の岡山県渋川青年の家の職員、砂子寛己さんは同僚とともに、2人の命を救いました。県内最大規模、玉野市の渋川海水浴場。6月24日の正午過ぎ、19歳の男性2人が遊泳中に沖に流され、自力で浜辺に戻ることができなくなりました。

(岡山県渋川青年の家 砂子寛己さん)
「当時は運よく風はあまりなかったが、(潮の)流れがものすごく速かったので、ひたすら流されていった」

一緒に遊泳していた男性から助けを求められた砂子さんたちはすぐに海上保安部に通報。青年の家が所有する船で2人を無事、救助しました。

(岡山県渋川青年の家 砂子寛己さん)
「焦る気持ちもあったが、それよりも助けたいという気持ちが強く、自分が落ち着かなくてはと冷静さを心掛けていた」

砂子さんと同僚の山下真弘さんには玉野海上保安部から水難救助の感謝状が贈られました。今回の事故には瀬戸内海のある特徴が関係していると言います。

(玉野海上保安部 市丸和宏部長)
「瀬戸内海自体が潮の干満があるので、潮の流れに注意しながら遊泳する必要がある」

瀬戸内海は潮の満ち引きが比較的大きく、一見すると、波も低く、穏やかであっても時間によっては潮の流れが非常に速くなっている可能性があります。海で遊ぶ際は、天気予報だけでなく潮位表も事前に確認することが重要です。

もし、実際に溺れている人を発見した時はどうすればいいのでしょうか?

(岡山市東消防署 特別救助隊 渡邉敏規隊長)
「溺れている人を見つけた時は、まずはその人から目を離さない。早期に通報してもらえると装備をした隊員が来て、救出に向かえる。(助けに行こうと)水に入らないことを意識して、浮くものなら何でもいいから数を投げ込んでほしい」

浮き輪があるから、天気がいいから大丈夫など少しの油断が大きな事故につながりかねません。夏の海を安全に楽しむためにも海の危険性を改めて認識することが求められます。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。