教員未配置の実態調査結果を公表した全日本教職員組合の記者会見=東京都千代田区の文部科学省で2024年7月18日午前10時25分、斎藤文太郎撮影

 全日本教職員組合(全教)は18日、定数の未充足や病休・産育休などによる欠員が埋められない全国の「教員未配置」についての調査結果を公表した。未配置は2024年5月時点で少なくとも4037人に上り、前年同時期より深刻化しているという。全教は教員不足解消に向けた予算確保や職場環境の改善などを国に求めている。

 地方組織を通じて調査できた37都道府県と10政令市の教育委員会から、5月1日時点での公立小中高校・特別支援学校の不足人数や対応状況を聞き取った。学校別の欠員は小学校1732人▽中学校1244人▽高校433人▽特別支援学校473人――など。23年と24年の調査で共通して対象となった24都道府県5市の結果を比較すると、23年の不足人数が2018人だったのに対し、24年は2753人と大幅に悪化していた。

 未配置の内訳は、定員に対する欠員が902人、産育休や病休の代替要員の欠員が1161人、短時間勤務・時間講師の不足が927人など。多くの学校で非常勤講師を充てているとみられるが、全教は「非常勤で授業の『穴』は埋められても、校務分掌など他の業務は残っている教員が担うため、長時間過密労働に拍車をかけている」としている。

 未配置の影響については自由記述で「担任不在のクラスがざわつき始めた」(小学校)、「授業は二の次でまずは安全管理」(同)、「支援学級の担任をはがして対応」(同)など教育への影響を懸念する意見があった。「(着任が)決まっても辞退されてしまう」(小学校)、「見つかっていた代替者に直前で断られた」(中学校)、「初任者の着任拒否があった」(高校)など教職が敬遠されていることがうかがえる記述もあった。【斎藤文太郎】

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