人気の駄菓子「ココアシガレット」を粒状にした「折れへん!?ココシガタブレット」=大阪市北区で2024年7月8日、村田貴司撮影

 大阪市の駄菓子メーカー「オリオン」は、同社のロングセラー商品「ココアシガレット」を粒状にした「折れへん!?ココシガタブレット」を、発売する。74年目の新展開で、時代に合わせてしなやかに変化し、生き残りを図る。

 ココアシガレットは1951年発売の砂糖菓子。かむと、ココアの甘みにミントの香りがふわりと抜ける。たばこの「ピース」に似せたパッケージで、大人のまねをしたい子どもの心をしっかりつかんだ。近年は、アーティストらがココアシガレットの「喫煙」画像をSNS(ネット交流サービス)にアップし、話題を集めている。

「折れへん!?ココシガタブレット」と、リスゴローのイラストを手に笑顔の高岡五郎さん=大阪市淀川区で2024年7月1日午後2時32分、水津聡子撮影

 年間2200万箱を出荷する人気商品だが、少子化や駄菓子屋の減少など、取り巻く状況は厳しい。コンビニエンスストアでの需要に応えるため、つり下げて販売できるタイプの商品開発を検討。「シガレット状のまま入れると、折れてしまう」(同社企画部の高岡五郎さん)ため、粒状に「変身」させた。

 「ココシガタブレット」は直径5ミリ程度。粒状のココアシガレットに糖衣をしており、なめてもかんでも楽しめる。パッケージは本家と同じく紺色で、たばこの絵も描かれている。「折れない」ことにちなんで、通常「ORION’S」と記載されている部分も「OREHEN」に変更。「昭和二十六年生まれ‼私も丸くなりました…」との言葉も書かれている。

ココシガタブレットの裏面に描かれたリスゴローと、浪速の駄菓子王のゴロゴロ語録=大阪市北区で2024年7月8日、村田貴司撮影

 裏面には「浪速の駄菓子王のゴロゴロ語録」と、高岡さんを模したキャラクター「リスゴロー」が記載されている。「今日は憧れるのをやめましょう。」の言葉は、たばこを吸う大人に憧れてまねをしたい子どもへの呼びかけと、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での大谷翔平選手の発言をかけた。語録は3種類あり、思わずクスッと笑えるひとことが書かれている。

 高岡さんは「消えていくお菓子もある中で、これからもどうやって生き残っていくか考えたい」と話す。折れない心とユーモアで、100年愛される商品を目指す。1袋118円(税抜き)。23日、全国のローソンで先行発売される。【水津聡子】

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