クマは人里近くでも出没しています。23日朝、長野県安曇野市の畑の脇でシカ用のワナにクマがかかっているのが見つかり、市などが山に返しました。県内では人里でも出没が相次いでいて県が注意報を発令しています。

辺りの様子をうかがう大きなクマ。23日朝5時ごろ、安曇野市穂高の畑の脇でワナにかかったクマを近くの住民が見つけ警察に通報しました。

シカ用のワナにかかったいわゆる「錯誤捕獲」で、市によりますと体長135センチ、体重約90キロのオスの成獣でした。

県は原則として「錯誤捕獲」されたクマは放獣することにしています。駆けつけた猟友会や市の職員らが麻酔で眠らせ、山に返したということです。

今年度、県内では人里でもクマの出没が相次でいます。県によりますと目撃件数は5月が107件、6月が343件といずれも前の年より増加。7月も19日までの速報値で44件となっています。

人身被害もNBSの調べで23日までに6件発生。信濃町の山林では作業員の男性が襲われ死亡しています。

こうした事態を受け県は現在、ツキノワグマ出没注意報を出していて、県のホームページで出没マップを公表し注意を呼びかけています。県は改めて「出没が確認された場所に近づかない」「生ゴミなどを適切に処理し、クマを誘引しないこと」などを呼びかけています。

また、県は今後、人里でさらに目撃が増え山のドングリなどのエサが「凶作」と予想された場合などには、「警報」の発令も想定しています。警報が出た場合は「錯誤捕獲」も含め捕獲したクマをお仕置きして山に返す「学習放獣」をいったんやめ、駆除を優先させることにしています。

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