夏休み中の家庭の負担を減らそうという取り組みです。須坂市(長野県)は、25日から子どもたちが過ごす「児童クラブ」で希望者への弁当の提供を始めました。

■児童クラブで希望者に「昼食提供」

楽しく遊ぶ子どもたち。須坂市の「高甫地域児童クラブ」です。夏休み中は毎日、多くの児童がここで過ごします。

昼前、給食センターのスタッフが配達に来ました。届いたのは、チキンカツや五目サラダが入った弁当。誰が食べるのかというと…。

「いただきます」

児童たちです。ただ、全員ではありません。家から持参した弁当を食べる児童もいます。

これは、須坂市が市の児童クラブ11カ所で25日から始めた「昼食の提供」です。

■日替わりメニュー440円

前日の正午までに専用のアプリで注文すれば1個440円で市の給食センターが作る弁当を用意してもらえます。こちらのクラブでは初日の25日、45人のうち10人が注文しました。

弁当を注文した児童:
「ちょっと辛くておいしい。(何がおいしい?)カツ」
「ほろほろしておいしい」

これまでは全員が弁当を持参していました。なぜ、提供を始めたのでしょうか。

須坂市教育委員会・今西裕香さん:
「保護者の負担軽減が一番の目的。選択肢の一つとして弁当の提供を選んでいただけたら」

■約4割の保護者が「弁当を注文する」

こども家庭庁は、子育て世帯の負担軽減につながるとして、長期休み中の児童クラブなどでの昼食提供を全国に広めようとしています。

県内でも長野市の16カ所の児童センターなどが実施していますが、業者の確保の難しさなどから、実施できない自治体が多いのが現状です。

須坂市は2023年秋、児童クラブを利用する保護者にアンケート調査をしました。すると約4割の保護者が「弁当を注文する」と回答。一定のニーズがあることがわかり、実施へ向けて検討してきたということです。

児童センターの運営を委託している給食大手の「シダックス」が、他県のセンターで行っている取り組みを参考にしました。夏休みの昼食提供を市全体で行うのは、県内19市で初めてとみられます。

■保護者「毎日、弁当作るの大変」

保護者はー

弁当を注文した保護者:
「夏休みが1カ月で長く、毎日作るのも大変なので、注文で頼めるとありがたい。(1食440円は?)もうちょっと安くなるといいかな」
「仕事があるので、朝に一つ弁当という手間が省けるのは本当にありがたい。栄養面とかボリュームを考えてもらっている値段だったら、安い方なのかな」

昼食提供は8月20日まで。市は、今後の長期休みでも実施する方針です。

須坂市教育委員会・今西裕香さん:
「夏休み期間長いので、保護者も働きながら、自分の好きなメニューが出ているときはそれを注文していただき、楽しみの一つとしていただければ」

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