静岡県の直近1週間の新型コロナウイルス感染者は1万2000人と推計され、前週に比べ1.4倍に増えました。県内には19日から感染拡大注意報が発令されていますが、この1週間の定点医療機関あたりの感染者数は13.96人で警報発令の基準となる16人に迫っています。感染力が強いとされる新変異株KP.3系統の割合は81%です。

静岡県が26日に発表した感染症発生動向調査(7/15~21)によりますと、県内の定点医療機関(139施設)あたりの1週間の患者数は13.96人で前週の9.81人の1.42倍に増加しました。
静岡県は19日から全県に感染拡大注意報(基準8人)を発令していますが、感染拡大は続いていて、当週の定点医療機関あたりの患者数13.96人は警報の発令基準16人に迫っています。

この1週間の感染者数は1万2000人(前週8600人)、1日に約1800人(前週約1200人)が感染していると推計されます。

2023年夏も注意報が7/14から10/12まで発令され、このうち8/4~9/28は警報に引き上げられています。

県感染症管理センターは「昨夏と同じ傾向だとすると、お盆明けの8月後半から9月初旬にピークを迎える」とみています。


保健所別の感染状況です。
定点医療機関あたりの患者数は、賀茂24.00人・熱海16.50人・東部10.05人・御殿場32.50人・富士20.33人・静岡市10.16人・中部12.12人・西部16.11人・浜松市10.79人で、御殿場・賀茂・富士の増加が目立ちます。

感染者のゲノム解析により、オミクロン株の新変異株KP.3への置き変わりが鮮明になっています。

6月下旬から7月下旬にかけてゲノム解析の結果が判明した県内の90人のうち、KP.3系統は73人81.1%で、2023夏や2024冬に流行した変異株からKP.3への置き換わりが進んでいることがわかります。

県感染症管理センターはKP.3について、「抗体からの逃避性向が強く、ワクチン接種をした人や一度かかった人もかかりやすい。ただ重症化のデータはない」としています。

また年代別の感染者数を前年と比較すると、2023年7月が20歳未満の感染が37%、60代以上の感染が19%だったのに対し、今年7月は20歳未満28%、60代以上29%と60代以上が増加していて、県は「高齢者を感染から守る対策が必要」と指摘しています。

感染拡大注意報が発令中のため、県は以下の対策を呼びかけています。

・医療機関や高齢者施設の受診や訪問時にはできるだけマスク着用
・体調に少しでも違和感がある時は、人に会う時にマスク着用
・急に症状が出た時は学校や仕事を早めに休んで療養を
・人が集まる所では換気と咳エチケット

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