酒田市八幡(やわた)地区では荒瀬川が決壊した。集落に流れ込んだ大量の水と土砂により道路が寸断され、一時、約400人の住民が孤立した。

(リポート)
「酒田市八幡地区常禅寺です。荒瀬川のすぐそばの住宅地は膝くらいまで泥で埋まってしまっています。山からも水が流れてきていて、ものすごい水圧だったのか、家の壁が破壊されてしまっています。そしてどんどんと家の中に今も水が流れ込んでいます」

酒田市八幡地区常禅寺(じょうぜんじ)では、集落にある46世帯のうち複数世帯の住宅で床上浸水の被害が出た。

(床上浸水した家の住人)
「40センチ以上水が上がった。もうどうやって生活したらいいかわからない」

この家は地面から40センチほど水が上がり、床上浸水となった。
家の中を見せてもらうと、畳がめくれ、泥にまみれていた。

(床上浸水した家の住人)
「もう泣きたいくらい。こんな状態になっちゃって。これからどうしようか、もう考えられない。どうしようもない考えられない、それだけ」

そして、別の住宅の持ち主の男性は、避難所ではなく2階に垂直避難して大雨をしのいでいた。
一夜明け様子を見に来たという住民は、泥を片づけたり、脱輪した車を側溝から出したりしていた。

(リポート)
「荒瀬川にかかる橋の一部が落ちてしまっています。そして道路の一部が崩落していて、こういった場所が何カ所か見られます。そして道路には流れてきた木や、電線も引っかかっていて、通れない状況となっています」

この道路の先にある大沢地区は、道路の陥没や水没により通行するのが困難な状態となり、一時約400人の住民が孤立した。
自衛隊や警察などは、午前5時から徒歩で約1時間かけて救助に向かった。
大沢地区の住民たちは隊員に背負われるなどして無事に救助された。

(救助された女性)
「うちは川のそばだけど、家が全部流されてしまった。家が丸々。土蔵や蔵もすべて流されてしまった」

別の男性は、昨夜、帰ろうとしたらすでに道が通れない状態だったという。きょうになって自衛隊などと一緒に自宅に残る母親の救助に向かった。

(母を救助しに行った男性)
「すごい状態、地獄絵図。流木など、とにかく木がすごい。住める状態じゃない。自衛隊の人と一緒に歩いて戻ってきた。母は歩くのが困難なので」

(救助された女性)
「おかげさんで、ありがとうございました」

市の職員によると、大沢地区に向かう道路は現在も車の通行ができないが、自衛隊が一軒一軒確認した結果、けがをしていた人はいなかった。

八幡地区では荒瀬川が決壊して水管橋が流されたため、山根・福山・荒町・観音寺・小泉・新出(しんで)の6つの地区759戸で断水している。
八幡タウンセンターに設けられた給水所では午前6時から市による給水が行われ、ポリタンクを持った住民たちが飲み水を求めて集まってきた。

(水を求めに来た人)
「水や電気は大変。生活する上でライフラインが途切れると大変ですよ」
「飲んだりいろいろ使わなきゃいけないし、貴重ですね、こういう時の水って」

県内では、酒田市と真室川町で計1458戸が断水し、鮭川村でも断水しているとの情報がある。
県は影響範囲などを調査している。

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