愛媛県立長浜高校(大洲市)の水族館部が運営する「長高(ながこう)水族館」が20日、隣接する施設に移転後、初の公開日を迎えた。高校の部活動では全国唯一の水族館で、約400人が詰めかけ、リニューアルオープンを祝った。
長高水族館は1999年1月に始まり、毎月第3土曜日に予約制で一般公開されている。現在はカクレクマノミやミズクラゲなど約150種2000点の生き物を飼育・展示。ハマチの輪くぐりなど部員考案のショーも好評だ。
移転先は1986年に閉館した旧長浜町営の水族館があった同市の長浜保健センターで、施設面積が拡大した。1階は海の生物、2階は淡水の生物を中心に展示。1階入り口には目玉として幅約3メートルの水槽が新設され、愛媛県の魚であるマダイや、ホシザメなどが来館者を迎える。「輝く星のように水族館部が活躍し続けるように」との思いも込められている。今回、初めて訪れたという松山市の公務員、渡部翔大さん(30)は「きれいだった。高校生の知識が豊富で、運営も企画も高校生だけでしていてすごい」と感心していた。
同校では近年、県内外から水族館部の入部希望者が急増。現在の部員は全校生徒の約6割に当たる95人を数える。校内では手狭になり、設備も古くなっていた。大洲市や県の支援もあり、同センターへの移転が2023年秋に決まっていた。
校内での一般公開最終日だった24年2月17日から約2カ月、部員たちは春休みも移転作業に追われる毎日だった。西岡春陽部長(3年)は「水槽の移し替えや新たな場所での一般公開の運営など、準備にはいろんな試練があった」と振り返り、「それを乗り越えて、ようやく成果を発揮する日が来た」と話した。
顧問の重松洋教諭(56)は「皆さんの支えがあって迎えられたこの日。感謝の言葉しかない」と語り、部員に向けては「新たな環境で自分で考え、新しいものを生み出していく力を身に付けてほしい」と期待した。【山中宏之】
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