秋田県小坂町の観光施設・小坂鉄道レールパークを寄付によって応援してくれた鉄道ファンに対する返礼イベントが行われた。国内で唯一、動く状態で寝台列車を保存する宿泊施設「ブルートレインあけぼの」の車掌体験。制服姿で参加したのは、福岡県の久留米大付設高1年、坂井利優(かずま)さん(16)。「まるで夢の中にいるようです」と感激した様子だった。
町はふるさと納税制度を活用した「ガバメントクラウドファンディング」を2023年10~12月に実施した。車掌体験はレールパークを応援する名目で15万円を寄付した人への返礼品。「あけぼの」でおもてなし活動を行う小坂鉄道保存会が発案した。
さっそく寄付に応じたという坂井さん。旧国鉄時代に製造され、今は廃止となった24系客車による寝台特急の車掌に幼いころからあこがれを抱いていた。
7月27、28日に催された車掌体験で、小坂鉄道保存会の臨時会員となった坂井さんは、制服姿で車掌乗務チームに参加。1970~2014年に東京・上野駅と秋田、青森方面を結んだ「あけぼの」をイメージしたタイムスケジュールで乗務体験をした。
この日の宿泊客は県内外から訪れた約20人。各駅発着や朝晩の案内放送、検札、青函連絡船乗船名簿配布など体験し、坂井さんもちょっぴり緊張しながらも無事に大役を果たした。電源車の車内見学や、スタッフ関係者のみが利用する2段式B寝台での「仮眠」も体験し、まさに夢心地の様子だった。
小坂町観光産業課の担当者は「ファンが楽しめる企画を通じて、関係人口の拡大につなげていきたい」と力を込めた。【田村彦志】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。