宮城県を舞台にバレーボールに打ち込む高校生たちを描いた人気漫画「ハイキュー!!」が、仙台で再び脚光を集めている。今年の8月19日、「ハイキュー!!の日」を前に、仙台市内では新たに月島蛍と山口忠のモニュメントがお披露目され、伊達政宗の時代から続く伝統「仙台七夕」ではキャラクターをあしらった七夕飾りも登場した。仙台定番のお土産ともコラボし、仙台観光はバレーボールとともに熱く盛り上がっている。
お披露目された待望のモニュメント
パリオリンピックで男子バレー日本代表がイタリアと熱戦を繰り広げた8月5日、仙台市博物館の前では「ハイキュー!!」にちなんだモニュメントがお披露目された。描かれているのは、烏野高校のミドルブロッカー・月島蛍とサーブの名手・山口忠の2人。仙台市博物館は月島の就職先として描かれていることから、今回の設置が決まった。
この記事の画像(8枚)モニュメントはガラス製で高さ2.48m幅1.41m。作者の古舘春一氏が描き下ろした、それぞれのプレーをほうふつとさせる瞬間を見ることができる。2人が今年8月19日付で「仙台観光特使」に就任することを記念したものだ。
除幕式を見守った地元の高校のバレー部員からは「月島さんは目標」「こういう人にトスを上げてみたい」などの声が聞かれた。
“聖地”になるモニュメント
去年の8月19日には、同じ烏野高校で主人公のミドルブロッカー・日向翔陽とセッターの影山飛雄が観光特使に就任し、作中で熱戦が繰り広げられる仙台市体育館前にモニュメントが設置された。
日向と影山のモニュメントは全国の「ハイキュー!!」ファンにとって“聖地”となっていて、1年経った今も記念写真を撮りに訪れるファンが後を絶たない。
仙台土産の“定番”ともコラボ
月島と山口の特使就任を記念して、仙台駅では8月19日まで特別なグッズの販売も行われている。初日の5日に訪れると、販売開始を前に長い列ができていた。記念品として用意されたのはアクリルスタンドやポストカード、コースターなど約10種類。一人で20点ほど購入するファンも珍しくなかった。
さらに話題となっていたのが、仙台のお土産として有名な「萩の月」とのコラボ。パッケージには月島がデザインされ、「烏野の プライド胸に 萩のツッキー」と詠まれている。萩の月らしさも残しつつ、ファンにはたまらないデザインだ。同じく8月19日まで仙台駅3階の特設販売所で販売されるが、20日以降は8月31日までオンラインでも販売されるという。
七夕飾りは常に人だかり
「ハイキュー!!」とのコラボはこれだけでは終わらない。8月6日から8日まで行われた仙台七夕まつりの会場には、キャラクターがデザインされた吹き流しが登場した。吹き流し5本を1セットにして飾るのが仙台七夕の習わしとされ、しなった竹に5本が並ぶ形となる。
吹き流しの上部にあるくす玉は豪華さや優雅さなど飾りの印象を決める大事な部分だが、「ハイキュー!!」のくす玉はバレーボールに模して作られていた。爽やかな印象の吹き流しの下には立ち止まって写真を撮る人の姿が常に見られた。
仙台観光の大きな追い風に
仙台市は2022年、交流人口を増やすために新たな観光戦略を立ち上げ、2024年までに年間宿泊者数を650万人とすることを目標に掲げている。一方で、去年の仙台市内の宿泊者数は約600万人。コロナ禍前の2019年の基準(624万人)に近づいているものの、超えることはできなかった。
全国的な人気を誇り、今年映画も大ヒットした「ハイキュー!!」の力を借りながら、仙台市もまた「もう一回」が無い戦いに臨んでいる。
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