スマートフォン決済アプリ大手のPayPay(ペイペイ)は9日、企業が従業員の給与を電子マネーで支払う「デジタル給与」の事業者として、厚生労働省から初の指定を受けたと発表した。同社を含むソフトバンクグループ10社の社員約4・4万人のうち希望者を対象に先行実施し、9月分の給与からPayPayで支給する。一般の利用者向けには、年内のサービス提供開始を目指す。
政府はキャッシュレス決済の普及を進めるため昨年4月、デジタル給与を解禁。PayPayはその際、事業者申請をしていた。
希望するグループ従業員は、会社とデジタル給与に関する労使協定を締結し、利用を申請する。会社側がアカウントごとに開設される給与受取口座に給与を振り込むと、従業員のPayPayアプリに自動でチャージされる仕組みだ。
銀行口座への振り込みもできる。PayPayによるデジタル給与の上限は20万円で、通常の電子マネー残高との合計は100万円まで。14日から受け付けを開始し、9月25日支給の給与から反映される。
ソフトバンクグループ以外の希望する企業向けには、年内のサービス提供を予定している。PayPayによると、新たなサービスの契約やシステムの構築は不要だという。
PayPayのほか、KDDI、楽天グループなども厚労省の審査を受けている。【藤渕志保】
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