長野電鉄は9日、1日20本走っている特急列車の本数について、9月11日から12月10日まで10本に半減させると発表した。運転士の退職に伴う慢性的な人員不足で、現行の本数を維持できないためという。

 同社によると、運休するのは、特急列車のうち、須坂、長野発湯田中方面行きの5本と、湯田中、信州中野発長野方面行きの5本の計10本。

 同社の運転士は現在31人だが、「人員不足で休日出勤などでも対応できなくなってきた」という。例年、秋ごろに運行してきた、車内でワインが楽しめるイベント列車については運行を見合わせ、減便数を抑えたという。

 同社鉄道事業部は「外国人観光客も増え、秋の行楽シーズンも始まるなかで、お客様にはご迷惑になるが、苦渋の決断だった」としている。同社は現在、通常運行に向け、新たに2人の運転士を養成しているという。

 特急の一部運休について、阿部守一知事は9日の記者会見で「公共交通全体のあり方を検討しているところだが、地域の公共交通は、公的な財源を投入してでも維持していかなくてはいけない」と述べた。(遠藤和希)

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