北海道・小樽市のおたる水族館で、人間に向け何かを訴えかけるようなカラスの姿が撮影された。何度も鳴き声を上げ、撮影者に話しかける動画はSNSで話題となり、「何」を訴えていたのか憶測を呼んでいる。専門家に話を聞くと「トドの鳴きまねをしている」と回答した。

「カア!」何かを訴えるカラス

SNSで1000万回以上再生され話題になった、北海道・小樽市のおたる水族館で7月20日に撮影されたカラスの映像。

水族館を訪れていた撮影者のもとに、1羽のカラスが近づいてきたという。

謎の動きをするカラス(提供:小樽総合デザイン事務局)
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カラスはカメラの方へピョンピョンと近づくと、一度こちらをじっと見て、「グルッグルルル…」とうなり声をあげ、謎の動きをしてきた。

撮影者に何かを訴えるカラス(提供:小樽総合デザイン事務局)

そしてカラスは再度、撮影者を見て「カア!」と鳴いたのだ。

撮影者が投稿したSNS(提供:小樽総合デザイン事務局)

まるで何かを訴えているような姿に、撮影者は「なんかカラスに話しかけられたんですが、
カラス語わかる人いませんか!!!!」とSNSで助けを求めた。

するとSNS上で、様々な憶測が飛び交う事態へ発展した。

中には「仲間だと思って話しかけられてる」「求愛っぽく感じる」「世間話しているのかなー」 といったコメントが寄せられ、多くの人がカラスの真意に注目していた。

カラスの目的は“ご飯”?

カラスに話しかけられて何と聞こえたのか撮影者に尋ねてみると、「おそらく『エサをくれ』だと思います」と語った。

撮影者はご飯が目的ではないかと推測(提供:小樽総合デザイン事務局)

撮影者によれば、「このエリアで観光客向けに、トドやアザラシにあげる魚を売っている。それを見てカラスが『自分にもくれ』って言っている感じはした」という。

近くにあるトドの展示エリア

取材班が5日、カラスがいた、おたる水族館に行ってみると、確かに海沿いに作られたトドの展示エリアがあった。

専門家はカラスの「鳴き真似」

本当にカラスはトドのエサが欲しいと言っているのか、取材班は動物言語学の専門家に話を聞いてみた。すると“カラス語”の意外な答えが明らかになった。

東京大学・動物言語学の鈴木俊貴准教授は映像を見て、「何て言っているというよりは、カラスがトドの鳴きまねをしているところです」と答えた。

聞き比べるとトドの鳴き声にも類似

なんと、カラスは話しかけていたのではなく、トドの鳴きまねをしていたのだ。実際の鳴き声と比べてみると、確かに鳴き声が似ているようにも聞こえる。

専門家によれば、カラスは撮影者に鳴きまねを披露して、遊んでいたのではないかという。
(「イット!」 8月7日放送より)

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