連携協定を結んだ上地克明横須賀市長㊧とStarleyの丸橋得真代表

神奈川県横須賀市は生成AI(人工知能)アプリを活用し、高齢者がAIを相手に会話をすることに認知症の予防効果があるかどうか産官学で検証する。AIに昭和時代のニュースを学習させ、思い出話ができるようにした。市内の高齢者施設などを通じて利用者を募り、10月から実証実験を始める。

対話型生成AI「Cotomo(コトモ)」を開発したスタートアップのStarley(東京・港)と連携し、タイムラグのない会話ができるAIアプリを作成。AIには昭和の出来事や文化などを学習させた。

横須賀市は市内の介護施設など高齢者施設や関連団体に説明し、利用者を募る。10月から来年3月まで、利用してみたい高齢者はスマートフォンなどにAIアプリをダウンロードすると会話を楽しめる。

会話により過去の記憶を呼び起こすことが高齢者の脳を活性化することを期待しているという。市は脳科学研究を行っている学術機関とも連携する予定で、効果の有無を医学的見地から検証する。

同市は2030年に85歳以上の高齢者が2万9000人超と20年の1.5倍になると推計されている。上地克明市長は「AIにすべてを委ねるつもりはないが、楽しく使えて効果がみられるのであれば積極的に活用していきたい」としている。

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