9月に予定されている自民党総裁選を巡り、小林鷹之・前経済安全保障担当大臣(49)が、8月19日に記者会見を開き、立候補を表明する方向であると各社が報じた。小林氏は17日、訪問先の新潟県燕市で、「複数の同僚議員から声をいただいているのは事実だ」と、記者団に語った。小林氏は千葉県八千代市出身。東京大学法学部を卒業後、大蔵省(現財務省)に入省。2001年には、ハーバード大学ケネディ行政大学院に留学、修士号を取得した。米国の日本大使館に、一等書記官として、出向した経歴を持つ。財務省を退職後、2012年、千葉2区から衆院選に出馬し初当選。衆院議員3期目の2021年に、岸田内閣で経済安全保障担当大臣として初入閣を果たした。現在、衆院議員は4期目となる。「小林」と「鷹(英語でホーク)」を合わせた「コバ・ホーク」の愛称で親しまれている。

国民からの信頼回復を果たし、党刷新の担い手と期待される小林氏を支援するのが、衆院選の当選同期である武部新・衆議院法務委員長(54)。元自民党幹事長の武部勤氏を父に持つ。早稲田大学法学部を卒業後、日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)に入行。退職後に、2003年、米シカゴ大学公共政策大学院で修士号を取得。帰国後、父勤氏の秘書となる。2012年には、北海道12区から衆院選に出馬し初当選。農林水産副大臣、環境大臣政務官などの要職を歴任する。現在、衆院議員は4期目となる。

岸田総理は14日、記者会見を開き、「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は、私が身を引くこと。総裁選には出馬しない」と明言したことから、ポスト岸田を巡るレースが加速、世代交代に期待する声が高まった。自民党関係者は、「内輪の論理で選ばれるような人ではなく、やる気満々の人に総裁になってもらいたい。小泉進次郎氏でも、小林鷹之氏でも、若い人がトップになって、オールスターで支えるというのがいいと思う」と期待を寄せた。

自民党の福田達夫元総務会長(57)ら安倍派の中堅・若手議員9人が8日に会合を開き、9月の総裁選についての対応を協議し、「世代交代を進めるべき」という見解をまとめていた。しかし、武部氏らのグループは、福田達夫氏らと連携し、ともに小林鷹之氏への支持拡大を訴える構えだ。立候補に必要な推薦人20人を確保する見通しが立ったとされる。

岸田総理は14日、「政治とカネ」の問題からの信頼回復と自身の後継について言及し、「一連の改革マインドが後戻りすることがないような方であってもらいたいと感じている」と語った。岸田総理が今回の決断に至ったのは、昨年秋に発覚した派閥の裏金問題により、自民党に対する支持が下がったのが大きな背景として指摘されている。ANNが実施した世論調査によると、6月の調査では30.7%を記録し、2012年の政権復帰後、最低の数字となっていた。

番組には、総裁選出馬が取り沙汰される小林鷹之前経済安全保障担当大臣と、当選同期でともに政策を議論してきた武部新衆議院法務委員長が生出演した。
★ゲスト:小林鷹之(前経済安全保障担当大臣)、武部新(衆議院法務委員長)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)

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