秋田県内では2024年、8月18日までに822件のクマの目撃情報が寄せられている。人身被害が過去最悪となった2023年の同じ時期を44件上回っている。また、これまでに10人がクマに襲われけがをしている。2023年に引き続き「生活圏」での被害が目立っている。

8月13日、横手市十文字町木下の畑で、1人で農作業をしていた85歳の男性がクマ1頭に襲われた。クマは体長約1メートルで、男性は左腕の骨を折る大けがをした。

男性がクマに襲われる約1時間前、横手市雄物川町の国道107号線を走るクマの様子が捉えられていた。この日、周辺では5件のクマの目撃情報が寄せられた。

野生動物に関する情報を提供する「クマダス」をみてみると、「出没マーク」が近い範囲に並んでいた。

警察は、この中に「男性を襲ったクマと同じ個体がいる可能性がある」とし、注意を呼びかけた。

クマが目撃されたり、人身被害が発生したりするといち早く現場に駆け付けるのが「警察官」。山で遭難した人の捜索などにもあたる。5月には、山で行方が分からなくなった男性を捜索していた警察官2人がクマに襲われる事故が発生した。

こうした被害を受け、県警察本部は、警察官が現場に出向く際の新しい装備品を導入した。

20日は装備品を身に着けて、クマの出没を想定した訓練が秋田市の県警運転免許センターで行われた。「市街地にクマが出没した」という想定で、県警本部地域課に所属する12人が参加した。

訓練では、参加者がクマが出没した場所に出動し、まずは盾を持ってクマを捜索する。クマを見つけると、撃退用のスプレーや爆竹を使って危険がない場所まで追い払った。

クマが出没した現場では、警察官は周辺に住む人などはもちろん、自身の安全も守らなければならない。

県警が新たに導入した装備品は丈夫なつくりで、クマが執着しやすいとされている首や頭など、上半身をしっかりと守るつくりになっている。

 県警地域課・金田弘巳次長:
「まずは住民の安全を第一に考えたい。第二に捜索にあたる警察官などの安全を守りながら、クマの対策を行っていきたい」

新しい装備品は20着用意され、警察は今後も訓練を重ねるなどして、いざという時に備えることにしている。

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